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着せ替え人形【榎月】*06
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ちなはさんの意外な褒め言葉が、こそばゆい。
「何よ、ちなは。やけに会長サマの肩を持つわね。友情が芽生えちゃった感じ?」
きいやさんに腕を絡め取られ、逃げられないように密着されると
「同じ釜の飯を食べてるんだから、少しは仲良くしとこうかな、と。」
ちなはさんが、大根役者並みの棒読みで台詞を吐いた。
「ふーん?」
きいやさんが興味津々の目で、ちなはさんを見詰める。
「ねぇねぇ、会長サマ。ちなは、会長サマの事が好きだって!」
「言ってない。全然、そんな事、一言も言ってないよね!?」
ちなはさんに思い切り即答され、少し残念な気持ちになりながら愛想笑いを浮かべた。
「何もそこまで全否定しなくても…」
その私の言葉が引き金になったのか、何故かきいやさんと、ちなはさんの睨み合いが始まった。
「でもさ、誰かを部屋に泊めたのって会長サマが初めてでしょ?ご飯だって、お風呂だって会長サマだけじゃない?嫌いな相手にはしないわよね?」
「それは、そうだけど…」
何だか変な雲行きになってきたような…
「基本、無関心のちなはが気遣ったり、誰かの世話を焼いたりするのって、好意の現れなの。知らなかった?あんたは、昔から気になる相手しか見ないのよ。」
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