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【ちなは】*06
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『…僕で我慢するって言ったんだ。その約束を守って貰う。きいやちゃんには手を出させない。』
『相手が本当に、その約束を守る保証はあるのですか?』
不意に会長サマとのやり取りを思い出す。
『ちなはさん、弱気になってはいけません。卒業すれば、解放されると本気で思っているのですか?彼らがあなたに飽きるまで待つおつもりで?』
出るのを躊躇っていると、手の中の携帯が鳴り止んだ。
「あっ…」
嫌な胸騒ぎがして、何だか怖い。
保身に走らず、出た方が…
携帯を開いて履歴を見ても、非通知でこちらから折り返す事が出来ない。
嫌だ、何だこれ…
不安で堪らなくなってくる。
「ちなはさん、お待たせしました。」
会長サマの声と顔を見て、少しだけ不安が和らいだ。
話そうか?
いや、ただ非通知で電話がきたぐらいで…
「あり…がとう。」
「どうかしましたか?」
会長サマの問いに、首を左右に振る。
「何でもない…」
きいやちゃんは、瑠璃さんたちといるし…
大丈夫だよね?
僕が出なかった所為で、きいやちゃんが呼び出されたりしないか心配になって、携帯を握り締めているのに気付いた会長サマが、僕の肩を掴んだ。
「…正直に答えて下さい。誰からですか?」
「出てない、非通知で…」
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