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「っ、……ん、ぅうう――!」
結局、想像だけで果ててしまった。
絶頂まで駆け上がった余韻が引いていき、代わりに押し寄せるのは大きな倦怠感と罪悪感。
それから、一人という現実。
「……っは」
荒い呼吸を整えながら、口角を拭う。
幻想に溺れ、声まで上げてしまった。そんな自分が急にバカらしく思えてならない。
適当に事後処理をし、アイスのカップをゴミ箱に突っ込んだ。体を引きずるように布団へと入る。
こんなことしている場合ではない。明日も早いのだ。
深く溜息をつき、目を閉じる。
けれど、どうしても眠る気になれず、暗闇の向こうの天井を眺めてしまう。
俺がこんなことをしているとも知らず、彼は今頃、どうしているのだろう。
恋人のそばにいるのだろうか。
その手を握っているのだろうか。
――考えたくない。
強く思う一方で、下の熱がまたうずき始めている。
一度では足りない、と。
「……クソッ」
いつからこんな体になってしまったのか。
悔しく思いながらも想像は始まっていた。布団の中、後ろから抱き締められている。
彼は耳元で先ほどまでの俺の行為をとがめ、からかい、笑うのだ。
「……ひび、き……」
その想像はやがて、現実と溶け合って夢のようになっていった。
幸せだった。
たとえ朝が来て、一人だとしても。
心の中にいてくれるのなら。
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