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何度も何度も往復され、つなぎ目から、ぐぢゅ、ぐぢゅ、じゅぽ、じゅぷっ、と、いやらしい音が生み出される。
「……はっ、あ! 抜い、て、くださ、い……!」
「喘いでないで早く腰振って、ほらっ!」
「あっあっ、ん、や、だっ……、あ……!」
俺は不自由な両手を握りしめ、肉に爪を立てた。
行き場の無い快楽の波に必死に耐える。
そうでもしないと壊れてしまいそうで。
いっそ、壊れてしまいたくて。
――でも、体が赦してくれなくて。
「頑固ねぇ」
「あうっ、うあああっ! あぁああう!」
イイところを突かれる度に獣のような声を上げていた。
「ほら、早く呼びなさいっ……! んっ、響、……響ぃ……あっ、ひび、き……んんっ……」
ケティはわざとらしく息を切らして、女声で彼の名を呼んでくる。
情事から生み出される音とその声が絡みつき、耳を犯される。
やめろ。
汚さないでくれ。
あいつまで、汚さないで。
「……ひ、びきっ……」
嫌だったのに、気づくと泣きながら彼の名前を口にしていた。
いつも心の中にある、あの笑顔を思い浮かべてしまう。
楽しそうな彼のそばにいると、悲惨な世界も少しだけ色鮮やかに、キラキラと輝いて見えて。
いつも人任せで、困ったときはすぐ甘えてきて。腹立つときもあるのに。
それでも微笑まれると、胸の奥があたたかくなって、どうしても邪険にできなくなる。
彼は、暗く沈みがちな俺をやわらかく照らしてくれる、唯一の光だから。
いたい。
あの穏やかな光の中に、ずっと、いたい。
そんなこと、できるはずがないのに。
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