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なんとか風呂場までたどりつくと、シャワーのレバーをひねり、頭から水をかぶった。
豪雨のように叩きつけるそれが、急激に体温を奪っていく。
全身がガクガク震えた。
歯の根が合わない。
けれども冷え切った肉体の中、強く鼓動する心臓だけが、熱かった。
燃えるように熱い。
シャワーを出て、体を拭いていると、洗面台の上に何かが置かれていることに気づいた。
昨晩、全ての元凶となったガラスの小瓶。
その下にメモ紙が挟まれている。
――火曜の夜、またいらっしゃい。
初めて見るケティの字は、線が角張っていて、文字の一つ一つに鋭い棘が生えているようで。
身体の奥底で、ヒクン、と何かが疼くようだった。
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