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「離せっ!」
衝動的に、突き飛ばしていた。
身体の奥底が――散々弄ばれたところが――今にも目覚め、熱を帯びてしまいそうだった。
そんなこと、絶対にあってはならない。
そうなったら俺は、自分をとめられなくなってしまう。
「……ごっ、ごめん……」
後ろによろめいた響は、気まずそうに頭をかいている。
「……っく」
俺はたまらなくなって、前のめりになった。そのままアスファルトに膝をついてしまう。
瞬く間に視界がにじみ、彼の不安げな表情も、揺れる。
「えっ、あ! あの、ホントごめん! ……なんか、すっごく、いい匂いだったから……つい……」
いい。
謝らなくていい。
違うのに。
「ごめんね、具合悪いのに。ごめん」
違う。
本当は。
嬉しかったのに。
「ひっ……、」
もっと、長く抱いてほしかった。
もっと強く、抱いてほしかった。
それなのに――。
「……響っ」
こんな身体じゃ、素直に喜べない。
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