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潤の欲しいもの 2
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「そうかもしれないね。だって、必要だったんだもんね。成長時に必要なものが得られないと、そこの部分だけ成長しないということはあり得るかも」
瑶は潤に同意した。
「自分が、一番好きな人の一番でいられることが、俺には必要なのかな?」
潤は、自信なさげに言った。
「潤の一番好きな人って、おじ様? 潤は、おじ様の一番のお気に入りのように見えるけど」
瑶が言うと、潤は、
「おじ様の心を占めているのは、過去なんだ」
と言った。
「叔父様は過去に生きているから、目の前の俺は、無視されているような感じがするんじゃないかな」
と潤は言った。
「それに俺は、後に生まれたでしょ? 俺の過去は他の家族の構成員に全て知られているけれど、俺だけ、ほかの人たちの過去数年から数十年分を知らないことになる」
「どういうこと?」
「譲兄さんは四つ上、昴兄さんは三つ上だから、俺の知らない若い時の叔父様のことを知っているはずなんだ」
「若い時っていったって、たった四年とか三年分じゃない?」
と指摘すると、
「俺の知らないことを、他の家族みんなに楽しそうに話されると、疎外感を感じるんだ」
と潤は言った。
「僕は一人っ子だから、兄弟がいる人が単純に羨ましいけどな」
「俺も一人っ子だけど、従兄の兄さんたちと、小さい頃からいっしょに住んでいるから、兄さんが二人いる三人兄弟の末っ子のようなものなんだよね」
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