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潤の欲しいもの 6
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「フランス革命の過激派みたいな思考が幼子にまで浸透したとは。国王をギロチンにかけた、パリ市民みたいだねぇ」
瑶は潤を揶揄した。
お互い、からかったりしないという約束だったけれど、今は非常事態だと思った。
この二日間、何度も僕は、潤にレイプされそうになったり、殺されそうになったりしていたのだから。
潤になら、何をされてもいいとは思っていたけれど、痛いのや苦しいのは嫌だった。
正直、まともに反論するのが恐ろしかったので、冗談に紛らわして言ったのだった。
薄暗い密室で向かい合って二人きりでいるこの相手は、何しろ、さっき人を刺して、病院送りにしたばかりの人間なのだから。
瑶は、恐怖心から、お互い、からかったりしないという約束を破った。
その癖、媚びへつらうように瑶は笑った。
相手に好かれようとして。
そして密室殺人の犠牲者になるまいとして。
つまりこういうことなのだろう。
これと同じ心理なのだろう。
潤が、おじ様を好きなのも。
潤が、おじ様を好きと思わさせられているのも。
自分に危害を加えるような相手を恐怖心から好きになる。
起源は、逃げられない状況。
もちろん、それだけじゃないと思う。
そんなに単純ではなくて、本当に、おじ様が魅力的な部分もあって。
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