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譲の記憶 5「事件」
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ちょうどさっきのように。
裸で血まみれの潤の姿を見た時、過去の記憶が蘇った。
潤は、その時もやはり手にナイフを持っていて、今夜と違うのは、その時、血を流して倒れていたのが、親父ではなく、竹秋伯父だったということだけだ。
その血なまぐさい悲惨な光景は、家族全員が目撃した。
昴は、いつの間にか、パジャマ姿で俺の背中にしがみついて震えていた。
母の寝室からは、ネグリジェ姿の母と伯母が出てきて、千代子伯母は、悲鳴をあげて、錯乱状態になった。
親父が救急車を呼んでいるすきに、母のとめるのを振り切って、竹秋伯父の寝室に入った千代子伯母は、ショックで倒れたようだった。
潤は、驚いて、母である千代子伯母に駆け寄っていた。
親父は、潤の手からナイフをもぎ取ってから、俺に潤を託した。
風呂場で身体を洗って、寝かせろと言われた。
昴は、泣きじゃくりながら俺の後をついてきた。
俺は、血にまみれた潤の手を引いて、階段を降りた。
濡れると思ったので、自分も服を脱いで裸になった。
潤は、人形のように、大人しく洗われていた。
バスルームの扉の向こうから、昴が泣いている声が聞こえた。
昴は扉を開けようとしていたが、俺は、濡れるから、だめだと言った。
俺は、潤の身体をきれいに洗ってやった。
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