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瑶と譲と潤「月曜の朝食 」
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瑶は、うとうとと眠った。時折、潤が、うめいた。夜が静かに更けていった。
目が覚めると朝だった。
瑶は、あちこち痛い身体を起こした。
「今日、月曜か、学校……」
眠い目をこすって起きた。潤は眠っていた。瑶は、潤の部屋に戻って、支度をした。いつのまにか、クリーニングから制服も戻っていた。
一階に降りると、台所からエプロン姿の譲が出てきて言った。
「ヨウ君、おはよう。朝ご飯食べたら車で送るよ」
「潤はどうしましょう? 眠ってたけど」
「休ませるよ。いろいろあったからね」
「はい」
瑶は、一人で、ご飯と味噌汁の朝食を食べた。
「ご飯とは!」
と瑶が、喜んだら、
「うちで出ないと思った?」
と譲がほくそ笑んだ。
「はい」
「潤が、魚沼産越光を食べたいって言ってたから」
ああ、なんか言ってたな。潤のためか。そんなこと覚えてるなんて、やっぱり、譲は、潤を気にかけているんだなあと思った。
黒い漆塗りの蓋つきお椀をあけると、ご飯がつやつやと輝いていた。
ご飯を口の中に入れるだけで、ふわっと甘い香りがした。
「こここれは、おかわりしていいんですか!」
瑶は、興奮して言った。
「もちろんいいよ。精米してすぐに炊いたから美味しいかも」
「ブランド米だし!」
瑶は興奮して言った。
「特別な棚田で、山の湧き水を引き込んで作っているんだよね」
譲も嬉しそうに応えた。
味噌汁の朱塗りのお椀から、ぼたん海老がはみ出ていた。
「知ってる? ぼたん海老って性転換するの」
譲が言ったので、瑶は、吹きそうになった。
「あ、大丈夫? 熱かった?」
「そうじゃなくて」
「性転換? 雄から雌に。雄性先熟なんだよね。便利だね。大洗家も、そのうち進化するかも。ああ、潤を雌にして孕ませたいなあ。潤、エビになれよ」
振り向くと潤がいた。
「朝から、何たわけたこと言っているんだよ」
「あ、潤、おはよう。起きられたの?」
「うん、朝ご飯の、いい匂いがしたから」
潤は、にっこり笑って言った。
「潤も食べるか?」
「うん、瑤と食べられてよかった」
潤は、席についた。
「潤は、いつ雌になるの?」
譲が、潤の朝食を食卓に置いて言った。
「ならないよ」
「大洗家の当主は総攻めという掟があるんだよ」
「何それ」
「俺は、モテモテだからね」
「夏目先生にM奴隷にして、まで言われて、いい気になってるでしょ。隼人さんも、こわれちゃったよねえ」
「潤、馴れ馴れしいぞ、会ったことないだろ?」
「写真見せてくれたじゃない」
「いつ?」
「譲兄さんが高校生の時、俺の彼氏とか言って。てっきり付き合っているのかと思った」
「世間的に見れば付き合ってたのかもな。でも、プラトニックだから」
「世間的にって、世間的には男同士で付き合っているとは見ないでしょ。単に、友達のお兄さんと仲がいいってだけで」
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