アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
トモと昴「友人の木村」
-
「それ地雷女じゃねぇの?」
缶ビール片手の酔っ払い男どもがからんできて言った。
「いるいるそういう女」
「男だとストーカーになるタイプだろ。あぶねぇ。トモ、しくじったな」
「全速力で逃げろ」
「電話とかかけてる場合かよ。着信拒否にしろよ」
「負けなしのトモがついに地雷踏んだな」
「フフフ、ざまぁ」
「逃げなくていいわ、やっぱ。そんだけ、競争相手減るし」
「言えてる、早速、トモは彼女持ちって、新入生の女の子たちに言いふらしてこようぜ」
「ダメダメ、それ言っちゃったら退会しちゃうだろ?」
「トモ狙いが多すぎてムカつくぜ!」
「おい、バラすなよ! せっかくトモを疑似餌にして釣ったんだから」
酔っ払いどもは、わめき散らしながら去って行った。
「うーん。地雷か」
「トモ、気にするなよ? あんな奴らの言うこと。真に受けなくて、いいからな?」
友人の木村が言った。
「おう」
とはいったものの、自分が、バカにされたように思い、いや実際バカにされたんだろうが、悲しみを覚えた。
「見捨てられ不安が強い、毒親持ちのアダルトチルドレンで、恋愛依存で、トモは回避依存、とかいってしまうのは簡単だが、そんなのは古いよな」
「古いもなにも意味わかんねぇし。何それ。どうでもいいけど」
「どうでもいいよな。まあ、トモは、回避依存ってのは、ないな」
「なんかしらんが、俺、バカだからな」
「だな」
「なんでだよ!」
「自分が言ったんだろ」
「…………」
「なんで、数多いる中から、よりによってそんなめんどくさい奴を恋人にするかな? とは思うけど」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 252