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瑶と正木「正木弁護士」
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「息子の彼氏の紹介か。あーあ」
正木は嘆息した。
「彼氏じゃないって、友達だよ。で、来週泊まりに来てもらうからねっ」
瑶は、ぷんぷん怒って言った。
「で、家で、やりまくる、と」
正木は半ばあきれ、半ばがっかりしたように、力なく笑って言った。
「そんなことしないよ!」
瑶は、こぶしを握りしめて腹を立てた。
ばかにされたと思ったのだ。
「最近、さかってるもんな、瑤」
正木は、苦笑して言った。
「はあ?」
瑶は、どきっとした。
「オナニーの声、でかいぞお前。じゅんっていうんだろ、その彼氏の名前。女の子の名前だと思ったら、男か!」
正木は、開けっぴろげに言った。
「オナニーって。そんなこと、してないよ、そんな。恥ずかしいこと言わないでよ」
瑶は、恥ずかしさにいたたまれなくなった。
「あ? そうか? じゃあ寝言か? じゅんって言ってたぞ、すごい色っぽい声で。てっきりオナニーだとばっかり」
「違うよっ。寝言? 夢とか、見たから」
瑶は、もう、恥ずかしくてなにがなんだかわからなくなった。
「そんな悪夢を見るほど、ショックな経験だったんだな? まったく! これは、母さんに要報告だな。で、その友達から、どんなことされたんだ?」
なにを言ってもドツボにはまってしまう。
全然うそが通用しない。
なんていやな職業の両親なんだ!
「その頃は、たいしたことしてないよ」
瑶は、観念して言った。
「その頃は? じゃあ、泊まりで何をされた?」
「話にくいよ」
それでも瑶は、抵抗した。
「挿入されたか?」
正木は容赦なく真実をあばこうと聞いてきた。
「されてないよ! なんでさっきから、そんな変なこと言うの!? そんなエッチなことなんかしてないよ! するわけないよ! 僕がそんなことするわけないじゃない! やめてよ!」
もう、なにをごまかしてもあばかれてしまうとは、わかっていたけれど、少しくらい秘密があったっていいじゃないか!
瑶は、この、人の嘘やプライバシーに踏み込むのが仕事の両親の職業病的な追及癖に、ほとほと、嫌気がさしていた。
僕にだって秘密は、あるんだよ。
「しゃぶられたか?」
思春期の瑶にも、正木の捜査魂は容赦ない。
検察官の尋問のごとく聞いてくる。
「それはあるけど」
瑶は、なんで、そんなことまで言わなきゃいけないんだ、と思った。
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