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瑶と正木「瑶の初恋」
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「精神科行くか?」
正木は、心配そうに瑶に聞いた。
「行かないよ。なんでだよ」
「だって、友達に変なことされたんだろう?」
「無理やりされたわけじゃないもん」
「じゃあ、母さんに相談だな」
「やだよ、こんな話、したくない。知られたくないよ。言わないでよ!」
瑶は、必死だった。
同性の父ならまだしも、母にこんな話なんて最悪だ!
「もちろん、他のカウンセラーを紹介してもらうって意味だ」
それだって、一度は話を通すってことだろう?
そんなのごめんだ。
「うぅん。僕は、いいよ。僕じゃなくて、友達のことが心配なんだ。僕の心配するくらいなら、自分のそのさっきの経験の治療でもすれば?」
潤の相談のつもりだったのに、なんで僕の話になっちゃってるんだ!
潤のが、ずっとひどいめにあってるんだから。
僕なんて、それに比べたら、なんでもないのに。
なにをそんなに大げさに。
「いや、もう、そのことについては、俺の中では、過去のことになっていて、思い出しても、なんともないから平気だ」
ほんとかなあ、と瑶は疑った。
なんか、おかしいよなあ。
今日だって、仕事休んだりして。
どうもおかしい。
ほんとは、なんか、隠してるんじゃないかなあ。
ほんとは、その高校時代の先輩とのこと、すごい気になってるんじゃないかなあ。
でも、人に言えることじゃないから、もうなんともない、みたいに言ってるだけなんじゃないの?
なんだか様子がおかしいんだよなあ。
「瑶、どうした? なにぼんやりしてる?」
「あ、ああ。ちょっと。言わないでよ、僕のこと、母さんには、絶対言わないで! こんなこと知れたら、卒倒されちゃうよ!」
「実は、すでに母さんと、お前のことについて、話していた」
「え? なにを?」
「最近、瑶の様子がおかしいって」
「え、おかしくないよ。なにも」
「悪い女につかまったんだろって俺が言ったら、母さんが、あり得るって笑ってた」
「そこ笑うとこじゃないから」
「予想がはずれて、相手は男だったか! 早速、母さんにメールしようっと」
「ちょっと、なんか、楽しんでない? 僕は、わりと真剣なんですけど」
「わりと? すごく深刻って顔してるけどな」
「そりゃそうだよ」
「初恋だもんな?」
「えーっ!」
「えーっ、って何なんだよ」
「初恋?」
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