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潤と譲「瑶のこと」
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「だめ。あいつなんか子どもすぎる」
潤は、かたくなに言いはった。
「そうだけど、今に追い越すぞ、きっと潤を」
譲は、潤の怒りをなだめるように言った。
「背が?」
見上げた潤の頬につたう涙を、譲の指がぬぐった。
「背は、潤のが伸びるんじゃないのか? 大洗家だから」
「瑶が大人になる?」
「なるよ。潤より、よっぽど大人になるよきっと」
「あんな単純なやつ」
「おい、彼氏じゃなかったのかよ」
譲は、苦笑した。
「相変わらず、潤は、ヨウ君に対して冷たいんだな」
「俺は、大人にならないの?」
「 潤だって、大人になるさ。でも、まあ、たぶん、時間がかかるよ、きっと」
「くやしい」
「何が」
「瑶に抜かされるなんて」
「焦ったって仕方ないだろ。ヨウ君は、いい子だから、きっと待っててくれるよ」
「悲しい」
「いや、潤は、すごく大人っぽい部分もあるんだよ。ヨウ君はもちろん、俺よりもさ。だから、そんなにがっかりするなよ。さっきも、俺の勝手な判断で、引きとめてごめん。そのまま、放っておいてもよかったのかもしれない。俺、どこかで、潤を手放したくないって思ってるんだろうな。ずっと、潤が子どもでいてほしいって。でも、潤も一人の男だもんな」
「俺、家出てかないから。俺の家だから」
「何言ってるんだよ。出てけなんて言ってないだろ?」
「言ったよ日曜かいつか」
「あんまり潤が言いはるならな。いろいろ気まずいだろう。それに、お前、おっさんと離れた方がいいだろ? 俺が言うのもなんだけど」
「ほんとだよ。譲がいうなよ。叔父様とやっといて」
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