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潤と譲と夏目「初対面」
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譲は、あわてて言った。
「おい、それ人に言うなよ? 俺だって、それヤバいと思ってるんだ。本気で逃げようかとも思ってる。でも潤を一人にするのもと思って」
「俺のことかまわず、出てけば? 彼氏と一緒に住めばいいんじゃない? 俺は、譲とかいない方がせいせいするから」
譲は、苦笑した。
「俺は、邪魔なのかよ。まあ、いっしょに住むことも考えてはいるんだ。向こうがどう言うかわからないけど」
「ああ、よかった。俺、譲に負けたくないし」
「なんなんだよ、負けるって。おっさんたちの獲得競争じゃないだろ。それとも家の獲得競争かよ」
「両方だね。それって愛されてるって証拠だから」
「そうとも限らんぜ」
大洗兄弟が、病室の前で、ごちゃごちゃ言い争っていると白衣を着た若い医師が脇を通りかかった。
「お見舞いですか?」
「うわっ、隼人! じゃなかった、夏目先生」
「別に名前でもいいよ。知り合いって思われるだけだから」
医師が譲に、こそっと言った。
「弟さん?」
「ああ、うん。はい」
「へえ、噂通りの美少年だね」
ふうん、この人が譲兄さんの。
まあ確かに可愛い人だな。
でも瑤のが可愛いかも、って当たり前だな。
年が違うもんな。
瑤が大人になったら、どうなるんだろ。
可愛いくなくなるかな?
でも、この人くらいには可愛いだろ。
たぶん。
「初めまして、譲の弟の潤です」
潤は、挨拶した。
「かわいいね、高校生?」
「はい、高二です」
「あ、僕は、夏目隼人。譲の」
「彼氏ですよね?」
「あ、え? 知ってるの?」
夏目が譲の顔を見た。
「しっ。聞かれるよ? いいの? 俺はいいけど」
譲は、あわてたように周りを見て言った。
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