アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
潤と譲と夏目「妬ける」
-
「あ、いや」
夏目が困ったような顔をして、周囲を気にするそぶりをした。
「潤、お前が悪いんだぞ。そんな大きな声で言うなよな」
譲が潤を叱った。
「どうして? だって実際そうなんでしょ?」
潤が問うた。
「だから、外では、そういうこと言うなって言ってるだろ」
譲は、さらに注意した。
「そういうことって何? つきあってるんなら別にいいんじゃないの?」
「だから、世間一般ではマジョリティじゃないから」
「いやだよ、そんな。内と外で、いうこと変えるなんて、頭が疲れちゃう。もう、そういうの疲れちゃった。だって家ではエロいことばっかり言わせられるのにさぁ」
「エロいことばっかりって、お前」
譲があわててさえぎると、さらにかぶせて、夏目が言った。
「エロいことばっかり言わせてるの?」
夏目は譲の耳元で、くすくす笑った。
「俺じゃないよ、言わせてるのは」
「へえ。僕もずいぶん言わされてるんだよね、譲には」
二人は、親密そうな距離に身体を近づけて、くっつきそうになりながら小声でささやきあっていた。
なにこの人たち。
妬ける。
目障り。
目の毒。
こっちは失恋で心がずたずたなのに、なんだよ人前でいちゃいちゃしやがって。
潤は不満に思った。
「もう、人前で、いちゃいちゃするのやめてよ。あなた方、二人の仲を隠してるんだか、宣伝してるんだか、わからないんですけど」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
144 / 252