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【七章】竹春「病室」
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【登場人物】
この章は、潤の叔父である大洗竹春とその担当医夏目の物語です。
大洗竹春(たけはる、潤の叔父、大学教授)
夏目(竹春の担当医、竹春の長男である譲の恋人)
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竹春は、外科病棟の個室のベッドに横たわっていた。
グリーンのカーテンと白い壁。
点滴と白い天井。
窓越しの明るく清らかな光。
ポタポタと音もなく静かに落ちる輸液。
透明の管の中をするりと落ちていく液。
砂時計で計るようにゆっくりと時が流れていく。
瞑想の時のような静謐な空間。
時間の止まったような。
あの時、潤に、夜中の礼拝堂で刺された時、時が止まったような気がした。
そのまま気を失った。
おぼろげな記憶。
救急車のサイレン。
がやがやした救急隊員の声。
医師の声。
痛み。
優しい手。
麻酔。
再び気が遠くなった。
いくつも夢を見た。
エロティックな夢もいくつか見た。
局部に触れられている夢。
あやしげなプレイ。
痛みのともなう。
見知らぬ美しい若い男が微笑んでいた。
天使のように白い服を着た美男子は、微笑みながら、竹春に痛みを与えた。
痛くありませんか?
痛いです。
痛くないはずですよ?
痛い。
そうですか。
彼は、可愛い顔をして、なかなかのサディストらしい。
痛みを与えているのに、痛くないはずだなどと。
竹春は、油汗をにじませた。
美男子の腕をつかんだ。
ああっ、すみません。
痛みますか?
痛いよ、君のせいだ。
すみません。
そうだ、あの美男子は、医師だったのかもしれない。
竹春は、ぼんやり思い出した。
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