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譲と隼人「隼人の恋心」
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「でも襲われて、さすがに冷めただろ? とんでもない不良少年だとわかって」
譲は同情して言った。
「不良少年かなあ? 潤君って知的な美少年だよね。聡明そうだし、ちょっと連れ歩きたい感じ」
潤とのデートを想像しているのか、うっとりと隼人は微笑んだ。
「うわあ、バイアスかかってんなあ」
隼人は、襲われた事実を認めたくないから潤と恋愛してることにしてるんだろうか?
「譲の弟っていうのが、ちょっと信じられない繊細な雰囲気だと思ったら、本当の弟じゃなかったんだね。従弟だったんだね」
「俺が、がさつみたいな言い方だなあ」
譲が苦笑した。
「僕、潤君みたいな子、タイプなんだ」
「えぇ、俺、ふられるの?」
「ううん。そうじゃないけど、うちの弟も可愛いけど、潤君は、もっと陰があってミステリアスで、あんな弟もいいなぁって」
「弟っていうか、寝ちゃったわけだし、すでに兄弟愛じゃないよね」
譲は指摘した。
「譲だって、弟と……」
隼人は不服そうだった。
「ま、そうだけどさ。つまり、隼人は潤に惚れてるってことか」
「うん、まあ、そうかな。でも、譲のことも好きだよ。譲と別れようとかは思ってないよ。だって潤君も、彼氏いるんでしょ?」
譲はキープ対象ということか。
「ああ、潤には彼氏がいるよ。愛くるしい美少年が」
譲は、なげやりに言った。
「そうなんだ……だったら勝ち目ないよね……」
結局、できれば隼人は潤と付き合いたいということか?
「あると思う。あいつ、大人の恋がしたいとか言ってるし」
なんで、隼人の恋を応援するはめになっているんだ! と譲は思った。
「大人の? 僕、あまり大人ってタイプでもないけど。するのも初めてだったし。年上なだけで。その、潤君は、おじさまみたいな人が好みなのかな? それとも譲みたいなタイプ? どっちにしても全然僕とは違う」
もう好きにしろよ、という気分で譲は答えた。
「違うからいいんじゃないの? あいつ、いつものプレイに飽きてるんじゃないかな。彼氏も隼人みたいに可愛いタイプだよ。自分で彼氏のアナル開発するとか意気込んでるし。あ、ごめん、生々しかった?」
「潤君、そうなんだ? じゃあ、僕のことも少しは興味もってくれてるかな」
隼人は相変わらず、恋する乙女みたいになっている。
「少しどころか、好きとか告白されてたじゃないか。世話してほしいとかさぁ」
だから、なんで俺は恋人のキューピッド役をしているんだ、と譲は自分につっこみたくなった。
「ああ、あれは、どういう意味なの?」
「知らないけど、潤は、親父に捨てられたら、隼人に乗り換えようとか思ったんじゃねえの?」
「捨てられたら?」
「親父を刺したりしたから、捨てられると思ったんだろう」
「勘当ってこと? でもあんな可愛い子、捨てるわけないと思うけど」
「うーん。自分でも離れないといけないと思ってるんだろうな。彼らはお互いそう思ってるんだろうよ」
「潤君には彼氏がいるじゃない」
「そうなんだけど、物足りないらしいよ」
「それで僕なんだ? 譲は?」
「俺は、鬼畜兄ですから」
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