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潤と夏目と譲「ほしがり潤」
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「無理。それが潤の罠だから。みんなそれではめられるんだよ」
譲が言った。
「違うよ。潤君は、そんな悪い子じゃないよ」
夏目が潤をかばった。
「あーあ、みんな、そうやって騙されるんだよなぁ」
譲が嘲るように嘆いたが夏目は聞いていないようだった。
「潤君……好きだよ……」
と潤に、うっとりした顔を向けてきた。
「おい、俺そっちのけ禁止」
譲が慌てたように言った。
「俺も、好き……」
潤も嬉しく答えた。
「ちょっとちょっと」
譲があきれたように潤たちをさえぎった。
「譲のことも好きだよ」
夏目が譲に配慮の言葉を与えたが、譲は不服そうだった。
「とってつけたように言うなよな」
譲が不満そうなので潤も付け加えた。
「俺も、譲のことも好きだよ」
「はいはい、潤まで」
軽くあしらわれたので潤は指摘した。
「兄さんだって、コウさんとか」
「え? 誰?」
夏目が好奇心なのか嫉妬なのか反応して尋ねてきた。
「あー、その話は、なし」
譲がごまかすように言うと
「なしじゃないよ、洋講堂の人? どうなってるの?」
と追及された。
「会ってないよ、全然」
譲の言葉に潤が
「うそだね。時々、会ってたくせに」
と、まぜっかえすと
「それ隼人と再会する前の話だろ」
と切り捨てられた。
「今でも好きなの?」
夏目が聞いた。
「好きっていうか、調教プレイが好きな人だったから」
譲は言い訳していた。
「潤君も、その人のこと知ってるんだ?」
夏目が潤を振り返った。
「うん、好きだよ。あ、付き合ってるとかじゃないよ」
潤は、機嫌よく答えた。コウのことを思うと今でもドキドキした。
「うそだね。キスとかしまくってたくせに」
譲が潤のごまかしを非難するように言った。
「キスくらいいいでしょ?」
刺激的なキスだった。
「もっと、ってせがんでたくせに」
何時間もキスだけで焦らされた。
「でも、してないもん」
「してないって言えるかなあ。少なくともキスだけとは言えないと思うけどねぇ」
コウは「秘密だよ、誰かに言ったらだめだよ」と潤に言った。潤はいつもみんなのそんな言いつけを忠実に守っていた。キスよりもっとしたこと……コウのサディスティックな冷たい眼差しと、優しい手、唇、かたいアソコ、洋輔もまじえた妖しい遊戯。言ってしまったら、もうしてあげられないよ? ほんとは、したらいけないことだから。特別に潤君にだけなんだからね。何度も念を押された。
「兄さんなんて、エッロいこといっぱいしてたくせに。俺、たくさん聞かされたんだから。譲がエロくて困るって」
潤は、聞かされるたびに嫉妬と好奇心に身悶えした。自分もしたい……もっと親しくなりたいと気持ちを掻き立てられた。
「コウが勝手にしゃべったんだろ、潤をそそのかすために。そういう話して潤の反応楽しんでたんだろ」
コウの残忍な美しい微笑みが、潤の胸をキリキリと痛ませたものだった。
「兄さんが言わせたんでしょ?」
サディスティックな兄の差し金だと思っていた。
「知らないね。とにかく、お前が、コウを好きだって言いまくって、コウを困らせてたのは知ってる」
「そんなに言ってないよ」
「言ってただろ。ごまかすなよ。どうせ今回も、そんなことだろう。お前、すぐ俺の持ってるもの欲しがるからなあ」
「違うよ。違うもん」
子ども扱いは心外だった。
「そうなんだ? 潤君は、僕が兄さんの彼氏だから気になるの?」
夏目にまで問われたので、潤は一生懸命否定した。
「ううん、そうじゃないよっ」
「明らかにそうだろ。まっ、所詮、お前の興味なんて、そんなもんだろ。俺のことそんなに好きかぁ? なんでそんなに真似するんだよ」
兄がまぜっかえしてきた。
「真似してないよっ。それに別に兄さんのこと好きだからとかじゃないしっ」
潤の必死な様子を見て、譲が嘲笑った。
「誰がどうみても、そうだろ。コウといい隼人といい。おっさんだってそうだよなあ。なんでも俺から取ろうとするだろ。昴もそうか。倫子さんもだなあ」
「その話は、しっ」
「なんだか、いろいろあるんだねぇ。たたけばほこりがいっぱい」
夏目があきれ気味に言った。
「そうなんだよ、こいつほんとに気が多くて」
世話がやけるといった風に譲が潤の頭をぽんぽんして言った。
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