アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
replay
-
息も大分落ち着いてきた頃、赤司が口を開いた。
「そろそろ、報告できるか?」
先頭は俺だったから、俺説明することになった。
めんどーw
「とりあえず、一回目と同じく直進した。そしたら、エスカレーターの近くらへんで化け物に遭遇した。そいつは…」
「遭遇した?見かけたではなくか?」
ちょww赤司www重ねないでwwww
「そ。一階の俺たちが歩こうとしてた方向から来た。姿は分かるけど……聞きたいか?」
正直、言いたくない。
でも、そんな思いとは反対に赤司は小さく頷いた。
「大きさはそんなんでもない。上半身が異様に膨らんでて、腹の部分に口、胸の部分に目が二つあった。頭はなくて、多分頭だと思う塊が化け物の口の中に入ってた。」
う、と小さな呻きが聞こえた。火神が口を抑えて真っ青にしてる。顔色は多少マシだけど、黄瀬も。
お前らメンタル弱えなw俺を見ろ俺をwwこの神メンタルwwwwww
「他の奴らは分かんねえけど、そいつは聴覚がめちゃくちゃいい。でも、視覚はゼロって言っていいほどない。俺がライト当ててみたけど、直接当てても振っても全く反応しなかった。」
ライトを当ててみたってところでピクッと赤司が反応した。でも、それ以外は何もなかったから気にしないことにする。
「んで、一旦引こうってことになって、火神が先頭で俺が最後になって戻り始めた。したらさ、大発見したんだよ。」
大発見という言葉に、黄瀬がピクッと反応した。探索に行ってない奴らはなんだと身を乗り出した。
wwwwwwwwwwww
「黄瀬がな……」
「涼太が?」
「黄瀬君が?」
「きーちゃんが?」
ごくり。
俺が息を呑むと、つられるように何人かもごくりと喉を鳴らした。
「…………………光ったんだ。」
「「「………は?」」」
wwwwwウwwwwケwwwwるwwww
「だぁーかぁーらぁー、黄瀬が光ったの!wwぼんやりとだけど。な!?氷室!w」
「ああ。」
氷室の同意で、全員がそれを真実だと認めた。でも、にわかに信じられないらしい。
そらそーだww
「試しにさ、このホールの電気消してみればわかるよ。マジで光ってるから。」
そう言うと、赤司が壁まで行ってスイッチを押した。途端にパッと電気が消えて、火神の小さな悲鳴が聞こえた。
火神wwww
笑いをこらえながら黄瀬を見る。
黄瀬は、やっぱり光ってた。
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
思わず爆笑した。なんか、アレだ。
「なんだか幽霊みたいで気持ち悪いです。」
そう。黒子、それだww
全員が確認したところで、赤司が電気をつけた。全員(二回目の探索に言った奴ら以外)が黄瀬をガン見している。
「…光っていた、な。」
「光っていましたね……」
「きーちゃん、すごい…」
黄瀬本人、意識していないのに光るとかどうにもできないとなんだかよく分からない弁解をしていたが、光ることに変わりはない。
とりあえず、話を戻そう。
「で!黄瀬を先頭にして歩き出したんだけど、緊張が緩んで火神がバッドを落としたから化け物にバレて、咄嗟に俺が囮になって三人を先に逃がしてから逃げてきたわけ。」
「高尾、マジですまん…」
火神がまた謝ってきたけど、本当に気にしていないと伝えた。
実際、なんとなく予感はしてたからなw
「咄嗟に囮になるとは、随分危険な行為だな。それほど足に地震があったのか?」
やや嫌味気味に赤司が言う。声の中に、不信感が透けて見えるような気がした。
「足に自信はあるけど、それほどでもねえよ。ただ、あの化け物、意外に早くて、このまま逃げても恐怖で体が固まってる奴らから捕まる気がしたから、咄嗟に口から出たんだって。」
そこまで言っても、赤司は警戒を解かない。仕方ないと思いつつ、俺はまた口を開いた。
「…囮を選ぶとしたら、消去法で俺だろ?」
随分と遠まわしに言ったから、気づいた奴は赤司しかいなかった。いや、黒子気づいてる。
要するに、〝俺が一番お前らに信用されてないだろ〟って意味。
それに、多分この中で誰か死んだとして、一番精神的に影響がないのは俺だ。
さっき知り合ったばっかだしなwww
仕方のないことだと思う。むしろ、それが当たり前だと思う。
俺だってそんなこと知ってるし、変な希望も抱いていない。
でも、黒子が妙に悲しそうな顔するから、「ちょっと休むわ」と言い残して小さな部屋に戻った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 57