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replay third
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女の子が呼んでいる夢を見た。
誰かを呼んでいる夢。
その子が誰かを呼ぶ度に、ノイズがかかって聞き取れない。
近づいたり離れたりする女の子を追いかけようと、俺はその子に手を伸ばした。
するとその手は勝手に握られ、俺は人差し指だけを突き出していた。
その人差し指の先は、女の子の胸の辺りを指さしていて、
いつの間にかそこには、複雑な模様の木箱が揺れていた。
暗転。
暗い。暗い。あと痛い。
背中の辺りと、左腕が特に痛い。
え、ちょっとまって、ホントに痛い。やばい痛いw
あいたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた……
「ってぇ……」
目を開くと、真っ暗なところに寝ていた。
ん、ここどこ?w
慌てて急いで状況確認。
キョロキョロと周りを見渡しながら追想中。
…そーだ、真ちゃん。探さなきゃ。
約束を思い出して立ち上がった。途端激しい痛みにしゃがみこむ。
闇に慣れてきた目で傷口を見ると、どうやら背中の傷は血が止まってる。
左腕は未だにポタポタしてるけどw
これなら大丈夫だろ、多分www
気合いで立ち上がって歩き出す。ここはどうやら本屋のようで、随分と埃のかぶった本がところ狭しと並んでいる。
俺はあんま本とか読まないからなあ…あ、真ちゃんはなんかよく読んでそうだなw
そんなことを思いながら道に出て左右を見る。
多分二階だ。なんとなく。
んで、これは勘だけど、真ちゃんもこの階にいる気がするw
化け物がいないことを祈り、銃の弾を装填し直してから俺は歩き出した。
フ ラ フ ラ w w w
壁に体を預けながらでしか歩けない。壁は左側にあるから、左腕の血が壁につく。
でも、だんだんと痛みがなくなってきてる。
果たしていいことなのか、悪いことなのかw
一つ一つの店を中まで確認するのはかなり辛いし面倒いけど、約束しちゃったし、ほっとけないし。
そうやって見周り続けて数10分、一つの階につき二十四ある店の十八店舗目くらいで、俺は遂に見つけた。
「真ちゃん、みーつけたw」
「……っ高尾…」
小さく震える真ちゃん。
いつから目覚めてたんだろ。
この様子じゃ結構前からかな。
「おまたせwさ、帰ろーぜ。」
手を伸ばすと、素直に手を伸ばし返してくる真ちゃん。思わず顔が綻んだのは、珍しすぎたせい。
でも。
すかっ。
…………
「…俺ら、相当疲れてんのなw」
「……そのようなのだよ。」
自力で立ち上がる真ちゃん。もう肩は震えてなかった。
「ここ二階だから、エスカレーター下りたらすぐホールに着くと思うよwそれまでガンバww」
「その言葉、そっくりお前に返すのだよ。負傷者はお前の方だからな。帰ったら傷の手当てもしないとならんのだよ。」
オカンかwwwww
超小声で話しながら、俺のペースに合わせて真ちゃんはゆっくり歩いてくれた。
でもなーww
「俺、ホールは入れるかねw」
相当煽って出てきたし、赤司に銃も向けてきたしww
追い出されそうwww
そう思ってても、ホールの扉が見えてくると底知れぬ安心感が湧き出てくる。
「……俺が説得してやるのだよ。」
急に話を切り出されて、一瞬なんのことだか分からなかった。
「……ん?」
意味がわからなくて見た真ちゃんの顔には少しの警戒が戻っていて、冷静さを取り戻したのかと安心する一方で、少し寂しいと思う自分に驚いた。
「赤司達のことなのだよ。お前には聞かなければならないことが山程ある。それに、怪我の手当てぐらいはさせるのだよ。……俺を庇ってできた傷だからな。」
あ、そゆことw
んじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかねw
「じゃー、よろしく!」
俺のテンションに笑った真ちゃんが、ゆっくりと扉を開けた。
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