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the same
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ホールに戻ると、全員が気遣わしげな目で、だけどしっかりと迎えてくれた。
特に真ちゃんは、何も言わないで俺を小部屋に行かせてくれた。
それがなんか嬉しくて、ちょっと泣いたのは秘密。
嬉しい。
嬉しいよ。
でも、それが怖い。
あ、ビビリじゃねぇよ?w
ただ、前回が散々だったから、今回こんな上手く行き過ぎてるのが怖いだけだ。
もしかしたら、夢かもしれない。
またいつか繰り返すかもしれない。俺が死んだ時じゃなくて、唐突に。
そしたら、また真ちゃんたちはいなくなる。
そんで、俺の知らない真ちゃんたちがまた現れる。
俺が真ちゃんたちといた時間の全てが、無かったものになる。
覚えてるのは、俺だけ。
紫原のお菓子好きも、
テっちゃんの優しさも、
真ちゃんの涙も。
俺は知ってるのに、本人たちは誰も覚えていない。
それが、とんでもなく怖い。
寂しい。
俺はしゃがみこむようにそこに蹲った。
「…高尾?」
いつの間に入ってたのか、真ちゃんの声がした。
慌てて顔を上げて笑顔を作ろうとして、急いで顔を下に向けた。
どっちなんだよww
でも、見せたくない。
俺、泣いてる。
「…泣いているのか。」
くっそ、バレてらww
「ごめんwちょっと感傷的になってるだけだからwwすぐ止まる…っ、」
言いかけた言葉は、最後まで言えなかった。
真ちゃんのあったかい手が頭に乗ってる。
撫でられてんのか。
それだけなのに、無性に泣けてくる。
「…っ、……真ちゃん…」
「…なんなのだよ。」
ここまできてなのだよとか、笑える。
「…真ちゃんの手って、あったかいよな…」
これも、繰り返されたら無かったものになるんだろうか。
俺だけが知ってるモノになってしまうのだろうか。
嫌だな…。
もう、繰り返したくないなぁ。
だから、そのためにも頑張らなくちゃ、じゃん。
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