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月曜日、火曜日・・・
時間は流れ過ぎていく。止まることも、戻ることもなく、進んでいくばかりだ。
1日は24時間あるのに、ミサキと一緒にいるのは、その1/3くらいしかない。
僕達は飽くことなく抱き合い続けた。
以前にも増して言葉を交わさなくなった。暗闇の中、手のひらや腕に感じる熱だけでよかった。
お互いに相手を欲しいと思うことが、その熱が二人の存在を証明していたから。
いや、ただ怖かったんだと思う。
口を開いたら、どうしようもないことを言ってしまいそうで、僕達は肌を重ね続ける。
哲平から連絡はこなかった。
仕事から帰って、僕のそっけない一行の手紙をみて何を思っただろうか
電話もメールもしてこない、その哲平の優しさに心が痛んだ。
誰かを傷つけても尚、突き進む・・・。こんなことはこれからの僕にあるんだろうか?
いや、なくていい。何度も・・・僕には耐えられないだろう
自分で思っていたよりずっと僕は弱い男だと、ミサキに会って初めてわかった・・・。
給料日と週末を控えた木曜日が重なって、「Satie」はとんでもない忙しさだった。
早く上がれればいいと思っていた希望は砕かれた。お客さんは途切れることなくやってきて、満足して笑顔で帰ってもらうには最大の努力が必要だった。
謝り、お礼をいい、おすすめをして、できる限りの笑顔をお客様に向ける。重さんの慌ただしい指示にてんてこ舞いだった。あげく馴染みのお客さんが長居をしたから、店をあがったのはもう0:00を回っていた。
走れば終電に間に合うタイミングだったけれど、僕はタクシーに乗ってミサキの家に向かう。
タクシーでミサキの家に行くのははじめて会った日以来だ。
でも今はミサキが隣にいない・・・
それはもう僕達の時間が終わってしまっているからだろう。
日付が変わって、もうミサキの帰る「金曜日」になってしまっている
短かった4週間弱が終わろうとしていた・・・。
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