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……ヤバイ。
マークさんと二人きりになってしまった。
マークさんを振り返って見ると、携帯で何やら話をしている。
話はすぐに終わったようで、俺が見ていたのに気づくと、近寄ってきて微笑んだ。
「今、優希の家に連絡しました」
は?何でウチの電話番号知ってんの?
もしかして、みんなで俺を探してたんじゃ………。
「優希が見つかったので、今から一緒に帰宅する事を、雅子さんに報告していたんですよ」
やっぱり………。
捜索されてたのか。
帰ったら、みんなに何て言われるか………。
特に茜が恐ろしい。
俺がチャリのハンドルを持ったまま肩を落として落ち込んでいたら、左肩に何かが触れた。
驚いて視線をやると、マークさんが俺の肩に手を置いて、俺に極上の笑顔を向けている。
マークさんのご尊顔を思わず至近距離で見てしまい、動悸がして、とっさに目を反らす。
なんて目で俺を見てんだよ!
神々しくて目がつぶれる!!
そんな目で見たら、世の女性達はこぞって勘違いするだろうが!!
たかが隣人でしかない俺に、そんな目をする位だから、マークさんって、案外、女タラシなのかもしれない。
いや、むしろ人タラシだ。天然モノだ。
いい人そうなのに、スゲー遊び人だったら、ちょっとショックだな……。
「優希?」
まっ!ちょっと、待て!
覗き込むな!!近い!!
まるで熱源が近づいて来たかのように、顔の温度が上昇する。
「マークさん、帰ろう!」
恥ずかしくなった俺は、肩に置かれたマークの手を振り払って、チャリをおしながら、さっさと歩を進める。
「優希」
マークは後ろから足早について来て、俺の前に立ち止まった。
「連絡は入れてありますし、急ぐ必要はありません。お疲れでしょうから、ゆっくり帰りましょう」
マークさんは俺を労うように、にっこりと微笑む。
「でも、茜達待ってるから急いだ方がいいと思うんだけど」
マークさんを避けながら、チャリをおして先を急ぐ。
そうだ。一秒でも早く帰らねば、茜が怖い!
それに、二人きりのこの状況は、俺の身ももたない!
小さく溜め息をついた瞬間、ハンドルを握ってる手を包む形でガシッと握りしめられた。
えっ!?
驚いて立ち止まると、マークさんの方にとっさに視線を向ける。
「優希と、少し話がしたいんです」
笑顔の消えた真剣な表情で俺を見つめるマークさんに、度肝を抜かれて硬直した。
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