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「……あ」
玄関から出て、ようやく気付いた。
そういえば、俺、おとなりさんに謝りたいってすごく思いつめてたんだ。
それを忘れるって……俺って、トリ頭なの?
実は何にも考えてないバカなの?
なんで呑気におとなりさんの奥さんを想像してニヤけてたんだろう。
それどころじゃないだろうに。
アホか、俺は。
「あぁ……」
まさか、今から謝りに行く事になるなんて思いもしなかった。
自分のバカさ加減に呆れて、へたりこんで頭を抱える。
謝りたい謝りたいって、あんなにグルグル考えていたクセに、いざ行くとなると怖じ気付くなんて、どんだけ臆病なんだよ。
とにかく、おとなりさんが家にいるのか確認しよう。
暗くなった今の時間なら家の灯りで居るかどうか分かるから、とりあえず、おとなりさん家の方を見れば良いんだ。
もし灯りがついてなかったら回覧板はポストに突っ込んでおけば良いんだし、大丈夫、きっと大丈夫さ。
よし!
見れば良いんだ。見るだけで良いんだ。
心臓の早鐘を鎮めるために、まるで呪文でも唱えるように、大丈夫、大丈夫、と心の中で何度も呟く。
そして、ゆっくり顔を上げて目にした物に愕然としたのだった。
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