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複雑。 in 南家
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「あの、入ってるジャージ汗まみれなので。
なんかかえって……………すいません。」
ビニールには入れてある。
でもきっと。
かなり細かく。
チェックしないといけないんだろう。
それを思って。
謝ってしまった。
「お預かりします。」
「琉依、スマホ入れっぱじゃね?」
「あぁ、いいよ。使わないし。
さっき兄さんには連絡入れたし、梓季は……
兄さんと一緒に居るみたいだから。」
「へぇ。まぁ、いいならいいけどよ。」
やっと家の中に。
豪華な日本庭園が窓から見える。
広さが尋常ではない。
眺めている間に背後でやりとりが。
「若…お友達のお送りはどうされますか。」
「要らね。多分、泊まる。」
「しかし、ここは……っ。」
組員、とか呼ぶのかな。
びりっとした空気に振り返る。
息を詰めて固まる男性が1人。
ポケットに手を突っ込んで。
それを見下ろす南を眺めた。
「あ゛?誰に向かって口聞いてんだ、てめぇ。」
「す、すいません。」
「親父に話通せば文句ねぇんだろうが。うぜぇ。」
うわ。
家だとこんな感じなんだね。
学校だとダラダラなのは。
このせいかな。
あ、南こっち見た。
「お父さんのところ行くの?」
「お前待ってろ。」
「なんで?」
「いかにもヤクザなのが、集まってっから。」
「じゃ、恐くないように手でも繋いでてくれる?」
「お前、わざとやってんだろ、それ。」
バレた。
いや隠してないけど。
南に変な噂をたてたら。
面白そうだよね。
ホモ疑惑、みたいな。
とか何とかふざけながら。
意外と歓迎されたり。
玄関でのことを謝られたり。
南のお父さんが優しかったり。
あっという間に夜になった。
ホントに泊めてもらうとは。
兄さんに会いたくなかったし。
まぁいいか。
梓季、何してるかな。
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