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明立学園大学②
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「おい、ここ大学だぞっ…やめろって、螢!」
普通に抱きついてくる螢。
抵抗の声は小さくとも。
力いっぱい押し返す。
ひたすらに隠す気はないが。
自らカミングアウトする気もない。
「やぁだー。」
「先生来るっつーの、っ…。」
「梓季が連れてきたくせに、冷たくなーい?」
引き攣った顔にしかなれない。
メガネの奥の目が。
本気の危なさを映している。
この目をする螢は。
マジで何をするかわからない。
一部きゃーきゃー言ってる腐学生も居るが。
好奇の目に晒されているのは間違いない。
ぐるぐると頭を悩ませるが。
「45分したら出席票回るから、それまで我慢しろよ。」
「あは、イイコだねぇ、いつになく。」
ため息しか出てこない。
螢が何かに気づいたように離れた。
ほっとして、授業が始まったのを確認した。
と、急に目の前に出されたスマホ。
「琉依、お泊まりかもだってぇ…ふふふ。」
「いちいち見せなくていいっつーの。
友だちのとこに泊まったくらいで妬かねーよ。さすがに。」
「違うよぉ、わかんないのー?」
「は?」
「まぁ、いいけどー。琉依も健気だねぇ。
だからって俺は別に、手加減する気もないけどさ…。
散々、昨日まで我慢したしね。」
意味が分からずに首を傾げた。
訝しげな視線を向ければ。
やけに上機嫌に微笑む螢。
綺麗に笑う螢は苦手だ。
体がざわつく。
ノートをとることで誤魔化した。
「…螢。」
「なぁに?」
「見すぎ。オレを。」
「これでも結構がまんしてるのになァ。」
ねぇねぇ、と子どものように。
オレの手を掴む。
螢の下半身方向へ引かれ。
ぐっと手を股間に押し付けられる。
こういうのは。
高校では日常茶飯事だった。
驚いたりはしないけど。
最近なかったのに。
「…大学入ってから、変態度下げたんじゃなかったのかよ。」
「隠してるだけだからねぇ。ふふ。」
「ずっと隠しとけ、きもいっつー…の!」
の!で、ぎゅっと握ってみた。
半勃ちなのが確認出来たが。
オレは授業中に発情するほど。
飢えてない。
螢はこれが好きらしい。
授業中に暴発させるのは。
やめてほしいからすぐ手を引っ込める。
「ふふふ。梓季のお尻に挿れたいー…。」
一回死なないかな、こいつ。
もしくは脳ミソを洗濯してやりたい。
机に両腕を投げ出し。
そこに頬をつけてこちらを見ている。
小さいとは言え。
笑い声がとても不気味だ。
それなのに。
乱れて顔に掛かる髪さえ。
螢の美しい容貌を際立たせる。
「美人か変態かどっちかにしろよ。」
「梓季相手だけだよぉ、勃つの。」
まったく嬉しくはない。
ヘラヘラ笑う顔を。
久々にじっと見てみた。
「………………オレは、やっぱりお前を切れないみてぇ。
でも多分、これがお前の言ってた、
「梓季はオレを好きでしょ?」の核心なんだろ?」
片手で頬杖をついて。
もう片方の手で螢の頬にかかる髪を。
避けて耳にかけてやる。
オレの手に擦り寄ってくるだけで。
何も答えない螢。
ただ静かに。
授業だけが進んでいく。
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