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南家の夜①
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「お風呂ありがと。部屋着も。」
髪を適当に拭きながら言う。
南の部屋はバカみたいに広かった。
20畳以上あるらしい。
広すぎて若干落ち着かない。
「さすがに、Tシャツだと丸見えだな。」
鎖骨辺りをトントン示す南。
キスマークの話だ。
風呂の鏡で見てちょっと引いた。
「強く吸いすぎだから…コレ。」
「知るか。」
南の部屋の大きな窓からも庭が見える。
キレイに手入れされている。
「変なこと聞いていい?」
「あ?何だよ、急に。」
南は先にお風呂に入ったから、
すでに部屋着だ。
何着ても様になるから感心する。
あ、ヤバイ。
聞く前に。
笑っちゃいそう。
思い出したらヤバイ。
「ふ、ふふ……………くくっ。」
「何笑ってんだよ、きもちわりぃな。」
「ふっ、あはは…!ごめん、だって、若って。南が。
さっき、すごい怖かったし、あはは、お腹痛い。」
声に出して笑うのが久々過ぎて。
紡いだ言葉までおかしくなってしまった。
でも、言いたいことは大体分かったのか。
南からどす黒いオーラがちょっと漏れている。
「一人でキャラ崩壊させてんじゃねぇよ。
笑いすぎて何言ってっかわかんねぇだろうが。」
深呼吸をひとつ。
笑いを微笑みくらいまでレベルダウン。
「南の違う一面が見れたなぁと思ってさ。」
「そんな良いもんじゃねぇだろ…。」
「南はさ、跡継いでも僕と友だち続けてくれるの?」
胡座をかいてラグに座る南。
さすがに疲れを感じて隣に座り。
そのまま了解も得ず。
横になりながら南の脚にタオルと頭を乗せる。
見上げれば、眉間に皺を寄せた顔が。
「続けてぇか?……ヤクザだぞ。」
「ふふ、恐い南も、悪くなかったよ?」
「まだちょっとしか見てねぇだろ。」
頭は結構重いはず。
嫌そうな顔をしながらも。
寛がせてくれる辺り優しい。
「どんな世界か僕には想像つかないけど、
南がダラダラしたい時、付き合うくらいは出来るよ。」
「……まぁ、嫌になるまでは来いよ。」
南が両手を後ろについて天上を見上げた。
だらーんと首を反らすから、
乾き始めた髪が、真っ直ぐに背に向かって垂れて。
手を伸ばして頬から首筋に指を這わせる。
「白いしツルツルだよね。」
「体育とか出てねぇしなぁ。」
興味と、少し昼間の仕返しも込めて、
つーっとそのまま胸のまん中まで下りた。
反ってた首を戻して見下ろしてくる南。
視線は合わせないけど、
ピクリとも変わらない無表情が視界の端にある。
つまらない。
「何だよ。」
美しい顔に似合わないハスキーな声。
ぺたり、と腹筋に手のひらを置く。
明らかに割れている感触。
「うわ。意外と鍛えてる?なんかショック。」
「ショックて何だ。筋トレなんてしてねぇぞ。」
「何したらこうなるの。」
「あー………組の奴らと手合わせみてぇなのやる。」
「だから、馬鹿力なんだね。」
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