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距離感 1
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「お前は意地でも言わねぇんだな」
諦めたように笑い、先生はオレの鼻を軽く摘まんだ。
「言うも何も本当に転んだだけだからねぇ」
嘘をつくなら突き通す。基本じゃん。
へらりと笑うと、せんせーはそれ以上は深く聞かずもういつも通りになっていた。
「オレ、そろそろ帰るね。手当てありがとー」
これ以上いると本当に甘えてしまいそうになる。
立ち上がると、せんせーも「送る」と車の鍵を持って立ち上がった。
「いいよー。この間みたいにせんせーの行きずりの女性に勘違いされて怨みを買いたくないもの」
ついそう言ったあとで少し後悔する。
もう少し、一緒にいたかったけど、さすがにこれ以上お世話になるのは忍びない。
けど、せんせーは気にした様子もなく鍵を指で遊ばせながら玄関に向かった。
「車なんだから誰にも会わねーよ。つーか勘違いされたのはお前がチビで女顔だからだろ」
「わー。言葉の暴力ー」
どうしよう。一階は断ったしいいかな?
うん、いいよね。
緩む口許を隠しながら、せんせーの背中を追いかけた。
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