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妬み
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過呼吸で、まともに走ることもできず、ふらふらと壁に手をついてなんとか進む。
「っはぁ……はっ………は……っは……」
早く逃げなきゃあいつらが追いついてしまうかもしれない。
そう思うのに苦しくて、全然進めない。
意識が朦朧としてきた。
もしかしたら、あいつらは初めからルリ君が狙いだから追いかけてこないかもしれない。
何より、昔僕がしたことを知ってるから、僕が誰かを呼べないのを知っている。
ああ、僕は、最低だ。
こんな状況で、誰かを呼べば昔のことまで明るみになるんじゃないか、とかそんなことを考えてしまう。
僕の身代わりになってくれたルリ君のために、だれかを呼ぶことも、もう一度あの場に戻ることもできない。
「はぁっ………っく…………うぅ………っ」
涙が溢れた。
保健室までなんとか辿り着くと、先生が「大丈夫か?」と心配そうに駆け寄ってくる。
「せ…………っはぁ…………せん、せ………はっ…はぁ」
「喋るな。とりあえず落ち着け」
袋を口に当てられ、ずるい僕は、さっきのことを言えないのは過呼吸のせいだと、先生にすがるように抱きついた。
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