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優しい手 4
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「ホットミルク、ご馳走さま」
そう言って、マグカップを洗おうとドアに向かうとぐいっと手を引かれた。
「えっ」
スカイブルーの瞳と、まっすぐ目が合う。
「俺が、寝てろって命令してんだよ。何度も言わせんな」
威圧的な声に、チリッと電気が走る。
「…………な…………」
ズルい。自分の顔が反則的にかっこいいのわかってる。
その顔をあまり近づけないで欲しい。
「ふ。お前、なに。顔真っ赤なんだけど」
『赤くない!』
『なんでこのタイミングで照れんだよ。性癖どうなってんだ』
『照れてない!』
日本語に置き換える余裕すらなくて、強めの口調で言い返しても、気にした様子もなく、せんせーは楽しそうに笑うだけ。
さっきの真剣な表情はなんなの。
「とにかく、寝てろ。まだ39度くらい今熱あるぞ」
「めんどくさいって思ってるくせに~」
くくっと喉で笑いながらせんせーがオレの額に手を当てる。
恥ずかしくて、つい目をそらしてしまった。
「仕事ですから。ほら、いい加減寝ろ。押し倒すぞ」
「それはお仕事熱心ですねー。もう本当に寝ちゃうからねー?せんせーのベット占領しちゃうからねー」
「はいはい。お利口にベット入れて偉いですねー。ご褒美にお薬口移しであげてやろうか?」
『自分で飲めるよ!』
乱暴にせんせーの手から薬をとると、くっくっと笑いながらペットボトルに入ったミネラルウォータも手渡された。
ああ、もう。やっぱりこの人の方が何枚も、何十枚も上手だなって、目の前の意地悪な笑いを見て思う。
ほんと、顔がこんなに熱く感じるのも、動悸が苦しいのも熱のせいなんだと思いたい。
なんかこんなのできゅんとしちゃうなんて、変態みたい。
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