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バイト先の仲間 2
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「あーきら、俺ら仕事終わったらラーメン行くけどお前もいく?」
「いかない。手どけて」
光邦さんが、さっきオレにやったみたいに暁さんの肩に手を回すも、やっぱり相手にされない。
気にした様子もなく光邦さんは笑うだけだった。
暁さんは、まさしく日本美人といった中性的な顔立ちで長いまつげに色白の肌、男にしては長めの黒髪を片耳にかけて、男のオレが言うのもおかしいけどすごく色気がある人だ。
身長はそんなに高くないけど、お店でも光邦さんに負けず劣らず人気だ。
もっと笑ったらいいのに、と思ってしまう。
「えー、暁さんもラーメン行きましょうよー。光邦さんがおごってくれるらしいですよー」
「そうだぞ、暁。お前ほっそいんだから食えよ」
「俺はいいから」
めんどくさそうに言われても光邦さんは怯まず笑って暁さんに話を降り続けるのはいつもの光景。
「俺ら三人よくシフト被るんだしそろそろ親睦会みたいなのしたいだろ?」
「俺はいいっての。ルリと行ってこいよ」
「オレも暁さんと行きたいですよー」
「……今度ね」
「おい!ルリと俺の扱いの差はなんだよ」
「だって光邦って、なんかもうほんとうにウザいから話すのも疲れる」
「あははは!光邦さん言われてるよー」
最初こそはオレ暁さんに嫌われてるのかな?って思ってたけど、長く一緒にいるようになって暁さんはどんどん打ち解けてくれるのがわかる。
オレが笑うと、たまに暁さんも静かに微笑むから普段見れないレアな顔にドキッとしてしまう。
「てかルリ、俺ら二つしか年変わらねーし、敬語やめろよ。堅苦しい」
「えー?いいんですかー?」
「当たり前だろ。もはや俺らの弟みたいなもんなんだから。な、暁?」
「………好きにしなよ」
オレは二十歳って嘘ついてるから、本当は5歳差なんだけどね。
そんな風に言われると、本当に兄弟ができたみたいで嬉しい。
「じゃあお言葉に甘えちゃうー」
「おー。………んで、暁、親睦を深めるために三人で今日ラーメ」
「行かないって言ってるだろ」
そんな二人の仲がいいのか悪いのかわからないやり取りにまた笑わせてもらってるうちにあっという間に開店時間になっていた。
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