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ギイさんのたくらみ <木曜日>
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冷蔵庫にペタリと貼り付いた紙。テレビで見たことのある料理人の顔とフライパン写真が印刷されている。なんだ?これ。
これを最初に見た時、冷蔵庫に色々貼ってある風景が「家庭」みたいで馬鹿みたいに照れた。
(マグネットはなかったらしくセロテープで貼り付けてあったが。)
何日か気付かない振りをしてみたが、毎日ビールや水を冷蔵庫から出している。ヒロだって俺が気付いていることくらい知っているだろう。
ヒロが仕事を終えて帰宅した深夜。ビールを取りにいったついでにペリっと冷蔵庫から紙を剥がした。ビールを手渡しながら聞いてみる。
「ヒロ、これなに?」
「ああ・・・それか。男らしくないとか思った?」
男らしい?らしくない?この紙にそんな意味があると?
「全然わからん。テレビで見たことのある顔だし白衣だから料理人だろ?この男。あとはフライパンが何種類かあるな。」
「スーパーで買い物するだろ?1000円でシール1枚くれるんだ。それをシートに貼り付けて枚数によってフライパンが安く買えるキャンペーン。」
「シール5枚と3000円で20cmのフライパン。5000円の買い物をして、さらに金を払うってことか?」
「そういうこと。」
ヒロは照れ臭そうな顔をした。コツコツシールを貯めて商品と替えるなんて、なんだか・・・その、ちょっと可愛いだろ。俺までなんだか照れてしまった。
「1Fのファミマが潰れたからビール買いにいくのだってスーパーだし。食料品だけならなかなか貯まらないけど、アルコール買えばザクザク増えていくだろ。サツドラのフライパンのテフロンが剥げてきたし、いい機会かなと思ってさ。」
いつもより早口で言い訳みたいに言うから・・・ますます可愛いじゃないか!
「安いフライパンと違うのかな。俺はよくわからないな。」
「俺だってよくわからないよ。でもホットサンドメイカー買ってからレパートリーが増えたのは事実だ。いいフライパンなら俺の焼きそばも儀のパスタもより旨い仕上がりになるかもしれないだろ?」
「サツドラのフライパンより優秀だろうな。」
「そうじゃないと困るよ。値段が全然違うし。」
ヒロとビールを飲みながら俺は明日参考意見を聞きにいこうと決めた。聞きに行く相手は一人しかいない。ついでに素敵なフライパン料理を教えてもらおうか。
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