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may.24.2017 ボディケアは必要です
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「ハル!大変だ!素敵アイテムが千切れた!」
「ちょっと早くないですか?」
「だよな・・これ幾らの商品なんだろ。」
「さあ・・・ネットで調べたらすぐわかると思いますけどね。」
「広美さんに電話しちゃおうかな。」
「・・・ネットの方が早いです!」
「ニャハ~~なに怒ってんの、可愛いなあ~ハルは。」
ワシャワシャされつつ、検索しようにも説明書を捨ててしまったから商品名がわからない。装着の仕方さえわかれば必要ないと思ったし、こんなに早くサヨウナラ状態になるなんて思ってもみなかった。そういう僕のもヨレてきているから時間の問題。
「あとで聞いておきます。」
「わかった。」
え~~とか、俺が電話する~なんて言いそうですけどね、ミネさんは言いません。押し時と引き際の切り替えが上手すぎます。僕だって怒った振りだからオアイコですけどね。
「しょうがないですよ、今日はナシで乗り切りましょう。靴下はいてください。」
「なんだよ、ハル。自分が装着してるからってさ~~」
「使い方が荒いんじゃ?」
「どうやって加減できるかっていうんだよ。厨房はしゃがんだり踏ん張ったりがあるから摩耗したのかな。」
「体重がかかったり、ストップ&ゴーの動きが原因かもしれないですね。」
「ストックしておいたほうがいいかもな。」
ミネさんは言ってから、ハッとしたように僕を見た。
「いやいや、ハルこれは違う。日用品ではないだろ?だから各々買えばいいわけで。」
「いいえ、日用品にカウントします。もちろん商品の購入と管理は僕の管轄ですからね。」
ミネさんは仕方ないな~って顔。そして申し訳ないなをミックス。格安寮費の埋め合わせとして日用品ぐらいは買いたい僕。
でもな・・・ミネさんの誕生日に用意したくらいだから、実はこのフニャフニャが高額商品だということもありうる。北川家ならやりかねない。
値段と商品名をあとで母さんに聞かなくっちゃ・・・。
◇◇
僕は中休み、理さんと一緒にドラッグストアに直行した。
「え~正明、これがそんなにいい商品なの?」
「ええ、これが優れものなのです。僕達みたいな立ち仕事には絶対いいですよ。」
「これをしたらどうなるの?」
「足の指がビヤっと開いて足の裏が平らというか・・・地面を握っている?上手く言えないけど、そういう感じになります。」
「それで?」
「足が開くと重心が踵にいくんですよ。それで自然に前かがみや猫背にならず、背筋が伸びる。姿勢がよくなるということは身体にいいですよね。骨盤の位置も正しくなるらしいですよ。骨盤まで実感はないですけど、腰は全然痛くなりません。」
「えええ~痛くならないの?」
「あと、忙しかった時は足の裏のここが痛くなりますよね。」
僕は自分の手のひらを理さんに向けて、中指の付け根から1cm下くらいの場所を指さした。ここ痛くなりませんか?僕はいた~~~くなります。脳天にキーンとなります、一歩踏み出すごとに。
「あ~わかる、なるなる。腰は怠くなるし、ふくらはぎはパンパン、そして足の裏がキーン。」
「それが無くなるだけでも素敵商品ですよ。」
理さんの目の色が変わった。ネットで買う時商品レビュー見ますよね。けっこうどうでもいい事や細かい難癖つけている人がいてウンザリしますが、参考になるものもある。この商品は「痛くてやめた。」「効果が実感できない。」「これでダイエットになるのか疑問」というマイナスもあったけれど、僕とミネさんは痛みはクリアしているので問題ない。それにダイエット効果を求めているわけではないので、これも問題なし。「毎日洗わないと臭いです。」これには参った。こんなことレビューに書く必要ある?
そして僕は理さんに使用者ならではのメリットを言っている。これはレビューなんかよりずっと効果的。
「俺もだけど、衛が心配だったんだよね。」
「・・・どこか悪いとか?」
「いや、リーマンの頃はシャキーンと背筋伸びて颯爽と歩いていた。今は急ぐ必要もないからノンビリ歩きだろ?それで少し猫背ってほどでもないけど、肩が中に入ってきているような気がしてさ。」
「あ~それはひたすら前に重心かけているからですよ。包丁とフライパン、盛り付け。とにかく前かがみでしかできない作業ばかりだし。」
「仕事終わって帰ったら床に寝て伸びるストレッチを始めたから、自覚があるのかもな。」
「その伸びるのいいですね・・・ミネさんにもやってもらいたい。」
「正明、今これしてるの?」
「ええ。」
「ちょっと靴下脱いでよ。」
「ええ!ここでですか?」
「他にどこがあるんだよ。トイレの個室に二人で入る?」
「・・・絶対嫌です。」
「ちょっとでいいから。」
個室に二人。入る時は様子をみはからえば見られることはない。でも個室の中から「脱いで見せてよ。」「ちょっとだけですよ。」なんて会話が聞こえて来たら通報されるかもしれない。それに個室から二人でてきた姿を目撃されたら・・・恥ずかしすぎる。それなら、ここで片足だけ脱ぐ方がマシです。
「わかりました。」
僕は靴下を脱いで右手に持つと、スニーカーの上に足を置いた。
「えええ~こんな物で?」
「はい、こんな物がです。特許とっているらしいですよ。」
「ほおおお、それは裏付けになるな。」
理さんはしゃがんでプニュプニュ突いた。わかりますよ、心許ないフニャフニャですよね。でも侮るなかれ、いい仕事するんですから。
「人差し指と中指の何?仕切り?」
「これが最初痛かったりするのです。」
「え~こんなもんで?」
「はい、こんなものが。」
理さんが立ち上がったのを見計らって靴下を履いてスニーカーに足を入れてトントン。理さんは商品を手にとり真剣に見ている。
「ミネは今日ダメになったってことだろ?寿命短いな。」
「でも僕はまだ大丈夫です。たぶん厨房チームのほうがハードですよ。重心移動が激しそう。」
「それはあるな。重たいの持つし、コールドテーブルの前でしゃがむの日に何回しているかって話だよな。厨房スクワット・・・俺は嫌、ホールでスマートがいい。」
飯塚さんには内緒にしておきます。
「こっちのハードタイプだったら長持ちするんじゃないかな?」
「理さん・・・まずは無難なところから始めましょう。理さんと飯塚さんがハードタイプのせいで痛すぎて仕事にならないとかシャレになりませんから。」
「わかったよ、無難から始める。」
ドラッグストアはあちこちにあるので一安心。何個も備蓄しておかなくても大丈夫です。お値段?両足で2000円くらい、高いか安いかは効果の実感具合で変わるでしょうね。
◇◇
「イテテテ、もっと優しくしてくれよ~」
「マッサージ未経験なんですってば!」
よくわからないので、ミネさんの腰をギュウギュウ押すだけの僕です。気休めにしかならないですよね。
ミネさんの誕生日に現れた母さんが持参したのはアレンジメントの花と小さな包みだった。「二人お揃いよ。」と渡された小さなプレゼントは帰宅してから開けた。そこからでてきたのは『大山式足指パット』なるシリコン製のヘンテコリンな形の物体。こんなもので効果あるわけ?半信半疑の僕たちは翌日からそれを装着して過ごしてみたら・・・効果がありました。痛くならないのです、足の裏も腰も。ミネさんは特に気に入ったらしく、母さんにわざわざ電話する程。電話する、しないっていう朝の会話はこのことがあったから。
「こんなに効いていると思わなかったよ。あって当たり前、無くなって初めてわかるその効果!」
「別れて初めてわかる、大事な人・・・みたいですね。」
「俺、そんなこと言ってないぞ。」
「わかっていますよ。そんなことにならないように頑張ります。」
「いいよ、ハルは今のまんまで。取りあえずは腰ギューギューを頑張ってくれたまえ。」
「・・・頑張ります。」
しばしギューギューしたあと、理さんが言っていた飯塚さんストレッチを思い出した。
「ミネさん、仰向けになってください。飯塚さんのストレッチをやってみましょう。」
「飯塚の?」
ミネさんはコロンと転がって仰向けになった。
「うーんと伸びてください。」
ミネさんはウーンと腕を伸ばすも肩から腕が上に上がらない。
「腕を上にして一本線にならなくちゃですよ。」
「ええ?無理、俺の関節ガッチガチじゃね?」
「ですね、息を静かに吐きながら横から上ではなく体の前から両腕を上げて。」
「前から・・・ね。イデデデ。」
僕は静かに、でもしっかり力を込めてミネさんの腕を取って伸ばした。
「イデデデ。」
とりあえずは「静かに息を吐いて吸ってを10回しましょう。」
「ヒイイイ。」
「僕のためにやってください。ミネさんが怪我するの困るので。」
「・・・わかった。」
ミネさんの呼吸はスーハーではなくヒーハーヒーハいでででで、だったけど何とかこなしてくれた。
「おお・・なんかふわっと軽くなった。」
「これ毎日帰ってきたらしましょうね。」
「ううううぐぐぐ。」
乗り気ゼロのミネさんの身体にまたがる。
「お、なに?」
僕は何も言わずに唇を重ねた。軽く・・・でも柔らかく。
「ミネさんの身体は僕にとっても大事なんです。」
「・・・ん。」
「明日から習慣にしましょうね。」
「・・・ん。もう一回。」
もう一度ストレッチをするのかと思って僕は腰を浮かせたのにグンと引き寄せられる。そのまま背中に回って来た腕に力がこもってミネさんとの距離が縮まる。
「ハル、もう一回。」
だからもう一度、今度は少し・・・ゆっくり・・・長く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実はこれ、私と母が愛用しております。東京で歩いたせいで筋肉痛になりましたが腰は全然痛くならなかった。しかし東京から帰ってサンダルを脱ぐと見事に千切れていたのです。そして装着しないまま、日曜日に30人分の弁当とオードブルを作るため、朝の5時からずっと立ちんぼうで座れたのは16:00。腰も足の裏も痛すぎて驚きました。
その日のうちにネットに発注。やっぱり装着していると違う!と昨日から実感しております。
立ち仕事をしている方、足の裏のアーチに不安がある、偏平足、などなどの皆さんは是非お試しあれ。姿勢は本当によくなります。
※製造元の回し者ではありませんよww
せい
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