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july.3.2017 豚バラ&エプロン三本勝負!
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1本目!!
・・・・・・・・・・・・
「色がとぶから見た目は悪いけど、俺すきなのよね」
ハルと並んで常備菜つくり。札幌も気温が高くなってきて夏日になる日も増えてきた。この季節はものが傷みやすいからハルの買った真空タッパーが大活躍している。
ちょっとここで豆知識。冬場は天然冷蔵庫か冷凍庫かという北海道。しかし最近の住宅は家全体を空調管理してどの部屋も暖かくしていたりする。最新の住宅ではなくても居間や台所は寒くない。冬だからといってラップをした料理を放置しておくと夏場と同じように腐りやすい環境なのだ。ちゃんと管理して冷蔵庫にいれたいところだよね。ハルタッパーは年中重宝しそうだ。
「ピーマンは輪切りにすると繊維が壊れて苦みがでるから、縦に切ろう」
「青椒肉絲的カットですね」
「そうそう。「すー」って絲だから。「これスー!」って言われたら千切り」
「スライスは何ですか?」
「片。発音はペンだった気がする。定かじゃないな。使っていないと忘れるね」
今作っているのはピーマンと豚バラのきんぴら的料理。カリカリに焼いた豚バラとピーマンをさっと炒めて酒をじゅうう。砂糖と醤油、少しだけ「ねかぶ昆布だし」を入れてできあがり。ごまと糸削りをパラパラかけて食べる。
「ししとうも入れるのですか?」
「たまに先祖がえりしたヤツがいて「辛っ!」ってなるのが夏っぽいだろ?」
「ロシアンルーレットみたいですね」
辛いのが得意ではないハルの反応が薄い。こういう時、俺はとことんハルに弱くて甘やかしちゃうんだよね~
「八百屋のおっちゃんに頼んでおくよ。万願寺でこれを作ろう。ピーマンより上品になるから」
「万願寺!」
ハルは万願寺唐辛子が大好きだ。焼いて醤油&かつおぶしの簡単調理でも喜んで食べる。そうだな……玉もとと叩いた海老で種を作って詰めて焼く……素揚げも捨てがたいな。
「ミネさん、ニコニコしてる」
「むふふふ。今秘密兵器を考案中なのだ」
「僕もいつかミネさんをギャフンと言わせる秘密兵器を発明したいです」
「ハルが俺にとっての秘密兵器だからな~これ以上武器を装備しないでほしい」
アホアホな会話をしつつ、最後のピーマンおかずが仕上がった。タッパーに移して鍋を洗う。本日の常備菜作りは終了!今晩は何を食べましょうかね。
手早く後片付けをしているハル。手際もよくなったし、迷いがない。キッチンフィールドならサトルの100倍は優秀だろう。年末の戦場では頼もしい戦力になってくれるはずだ。
ハルの仕上がりを考慮して、お節チャレンジしようかね……まずは飯塚に相談だけど。
「ミネさん、新しいメニューですか?」
「メニューとは違うけど、なんで?」
「ミネさん、料理のことを考えているときは顔が違うからわかります」
「え?まじで?俺そんなわかりやすいかな」
「……いえ、僕だからわかるのです」
かわいいこと言うじゃないの。それにね、そのエプロン姿がこれまたいいわけよ。ホールではギャルソンエプロンで腰下だけど、お家エプロンは胸から太ももの中あたりまでのオーソドックスタイプ。色は黒で2000円しないリーズナブルエプロン。でも値段じゃないのよね!
店の客はギャルソンモードのハルしかしらない。でも俺はお家エプロン姿のハルを独り占めしている!これぞ幸せ、馬鹿?アホ?なんとでも言えばいい。
「ミネさん」
「はい」
「今はよろしくないことを考えていましたね」
ハルに嘘は通用しないということですね、ですね?
「よろしくはないよ。ちゃんとしたことだって。ハルのエプロンかわいいな~って。これよろしくないことか?いいことでしょ?」
ハルの目がキラ~ンと光った。え……え……と、どうしたの?
俺との距離をぐっと詰めるハル。じっと俺を見詰めたまま心臓の下あたりをトンと突く。
「ハ……ル?」
「今日洗濯したのに、ここに油はねのシミができています。ミネさんはどうして腰下のエプロンしかしないのですか?」
「ええ……と、シミは洗濯すればいい。あとエプロンの形状に関しては、ずっとこれしかしてないから今更他に目がいかないといいますか……です」
ハルは俺の目を見詰めたまま、あっという間にTシャツをボトムからひっぱりだした。大きなハルの瞳が揺れている――よく知っている瞳。俺だけが知っている瞳の色。
「ここの……腰骨のラインをね、どうしたって想像しちゃうから困る。厨房では大丈夫ですけど、他の時は無理です。厨房以外でこのエプロンしないでください」
口調は淡々としているのに、ハルの手のひらが熱い。腰骨に続く皮膚の上をハルの指先が引っ掻きながら動いた。
「エプロンは戦闘モードスイッチだから……仕事終わったら外してるじゃないか」
「これからもそうしてください。僕にとってもスイッチです。ミネさんのエプロンはエロくて困る」
「い、今のハルのほうが、エロい……ってば」
「ミネさんのせいです」
ハルの指先が滑るたびに皮膚がチリチリ燃える。ダイレクトに触られるよりクるんですけど……だんだんまずいことになっております!ええ、盛大にまずいことに~~~
「ちょ、ハル、ちょい待ち」
「料理の秘密兵器はありませんが、僕なりの武器を行使します」
ぐいと腰を引き寄せられ、当てこすり逆バージョンに!ハルの両手は背中にもぐりこみ、熱い手のひらが皮膚の上を自由に滑りだす。
「ちょ……ハ、ハルってば」
顎をチロっと舐められて項がゾワっとした。おまけに昼間でここ明るいし!猛烈に恥ずかしいんですけど!うわ~~ハル、だめだってば!
背中にあった手がぐっと下がってボトムの中に。そのままハルはしゃがみこんだから、俺のボトムさんはあっけなく下半身から離脱。
「我慢していたらエプロンの裏側がよごれちゃいますね」
ハルがクスリと笑う。下から見上げられて息が止まった。エロエロ星人ハル参上(ふざけていないと俺が俺でなくなってしまう!)
「料理では負けていますが、僕の秘密兵器は沢山あるんですよ」
不敵な笑みを浮かべたハルに俺は降参した。どう抵抗するの?こんな攻撃に。
「ミネさんのせいですから」
俺は降参の印に、ハルの頭に手を伸ばす。たぶん……ワシャワシャしちゃうよ。いつもとは違う感じのワシャワシャをね。
ハルの秘密兵器には敵わない……俺なのです。
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