アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
july.3.2017 豚バラ&エプロン三本勝負!
-
三本目!
・・・・・・・・・・・・・
「まずだしをひきます。でも僕はだしパックで充分です」
「ツユを作るってこと?」
「ええ、7:1のツユです」
「なないち?」
「出汁が7、みりんが1、薄口醤油が1。7対1なので7:1です」
今日はお蕎麦屋さんに行かず、家で焼き蕎麦を作ることになりました。坂口さんが賄いを食べてみたいと言ったものですから。やはり希望は全力で叶えたい僕。以前ハルさんにレシピを教わった「SABURO焼き蕎麦」を本日披露することになりました。
「坂口さんは大根おろしをお願いします」
「おろしそばみたいな仕上がり?」
「いいえ、紅葉おろしを作ります」
「へえ~」
坂口さんは大根の皮をむいてガリガリ大根おろし中。僕は7:1です。パック出し汁を量って、1/7のみりんと薄口醤油を入れる。薄口っていうから薄い醤油だと思ったら色が薄いだけで、逆にしょっぱいんですよね。北海道の家庭に薄口はおいていません。だからスーパーにも売っていなかったりします。
500mlの薄口が消費しきれるのか心配。今度ミネさんに薄口レシピを聞いてみよう。
「できましたよ」
「じゃあ、そこに一味をどばどばっといれて混ぜてください。これで簡単紅葉おろしです」
「あとは?」
「蕎麦を茹でて水洗いして水切りします。玉ねぎと豚バラを油で炒めて、蕎麦をいれて炒めます」
「それで焼き蕎麦なんだ」
「ええ、そして紅葉おろしを落としたツユにつける麵形式でいただくのです!これがなんとも美味しい。夏にぴったりです。少々手がかかりますが納得の一皿を食べるには手間を惜しんではいけませんよね」
「お鍋一つってわけにいきませんものね」
「ですね」
僕はうず高く皿が積み重なったお店のシンクを思い出していました。手を動かせばやがてシンクは空になる。それを毎日こなしているせいか自宅での洗い物が苦にならなくなりました。あと手間を惜しむと美味しいに繋がらないことも。
僕のテーマは「手間を惜しまず、簡略化を目指す」出汁はひけませんが、パックなら使いこなせます。顆粒だしはこげ茶色のモヤモヤ層が底に溜まるのでおすすめしません。パックなら手軽だし色々な種類売ってますしね。そうはいっても格好良く出汁をひけるようになりたい……そのうち。
鼻歌をフフンとしながら坂口さんは洗い物をしています。美容室は水仕事の職場でもあるので、僕達はすっかりニュートロジーナのお世話になっています。僕はSABUROに来て人生初の肌荒れを体験しました。あんなにカサカサになるものなんですね。手をこすり合わせたらカサカサいいますよね、驚きでした。
「トアさんはエプロンしないですよね」
「そうですね。揚げ物はしませんし、激しく攻撃される料理はレパートリーにないので。部屋着に少しシミがついたところで問題ありません」
僕はかなりくたびれた長Tの裾をびろ~んと伸ばして坂口さんに見せた。クスクス笑って「ホントだ」って。ううう……かわいい。
坂口さんはエプロンをしています。フリフリフワフワとは無縁の機能性エプロン。ちょっと厚めの綿生地で色はグレー。毛染めの時につけるエプロンがしっかり目なので、硬い生地がお好みのようです。
今日は休みなので、タンクワンピースを着ています。タンク?な僕でしたが「タンクトップ」と聞き納得。くるぶしまでのタンクトップ。女性にしか着こなせないデザインです。
蕎麦を茹でるお湯を沸かすために鍋を火にかける。待っているとなかなか沸かないですよね、お湯って。
別に見ようと思って見たわけではありません。視線を落としたら目に入っただけです!横並びで作業中の僕達は作業を分担しておりました。洗い物を坂口さん、それを僕が拭く。その時にですね、ほら僕は背が高いので上から見ることになるでしょう?……まどろっこしい?ですね、わかっております。
僕の目に入ったのは坂口さんのデコルテ(照れ隠しで慣れない言葉をチョイスしました)俯瞰図。正面から見る胸元と全然違うじゃないですか!より谷間が……心臓がドクン。
「トアさん手が止まっていますよ。あ~これお醤油かな?」
デローン長Tが少し引っ張られて坂口さんが指差すあたりにポチンと茶色の染み。色が薄くても醤油は醤油。自己主張してまね、しっかり生地に染みが誕生していました。
「そろそろ捨てようと思っていたので」
坂口さんはよりによって僕のTシャツをペロっとめくった。
「うわ!なんですか」
「いつみてもすごいですよね、トアさんのお腹」
坂口さんは容赦なく重光家の腹筋をつついている。前かがみでツンツン……僕の視界はさらに広がり(いや深くが正解でしょうか)心臓以外の場所に血流が雪崩れ込む兆候を感じます。
「いつも見るたびドキドキしちゃいます」
ああああ!!!もおおお!!!
「あなたは、いつも僕を困らせる」
こういう時は腕の中に閉じ込めるのが一番です。顔も見えないし、デコルテエリアも見えません。ふうと息を継いで落ち着こう……。しかし僕の胸で坂口さんのデ~コルテが潰れている感触がぁぁぁ。その温かさと柔らかさに落ち着くどころか頭に血が昇ります。
ボコボコボコボコ
「トアさん?お湯が沸いたみたいですよ」
「あなたのせいです」
腕を伸ばしてガスの火を消す。焼き蕎麦?それは後回し!
「私何もしてません」
「坂口さんはスイッチだらけなんですよ。僕をどうしたいのですか?」
「……私をどうしてくれるのかな?」
ドッカーーーーン!!
ムンズと腕をつかんでずんずん歩く僕の後ろで坂口さんの笑い声。軽くて柔らかい、ほわっとする素敵な笑い声。
でも、僕はもっと違う声を知っています。これからその声に……逢いにいきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
三本勝負これにておしまい!!
豚バラは疲労回復。すいません、思いついただけです。エプロン、顎、一緒に台所を3カップルだとどうなるのかなという実験をしてみました。(トアは顎に食いつかなかったw 男女だとやはり違うのかもしれない)
全員とりあえず、空腹よりOOをとったということですねww
非R18ですが、たまには少しだけ仲良しなエピソードがあってもいいですよね~
せい
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
420 / 474