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octber 22.2015 face - 3
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「御無沙汰しています。」
「すまんね、呼び付けちゃって。」
「いえこちらこそ、驕りで飛んでこられてラッキーです。」
札幌に着いた時間は16:00をすぎていた。本当は朝イチで飛んできたい所だったが、やはり急に入り込んだ札幌行きより優先しなくてはいけない仕事があったからだ。午前中、ウンウン唸りながらキーボードをたたき続けてようやく先が見えて家を飛び出してきた。
そして明日は帰らなくてはいけないから荷物は大き目のトートが一つ。すこし大げさかと持ってきたことを後悔したストールが役に立つことになってしまった。東京より10度以上低い気温に頭痛がしてくる。
風は完全に真冬のものなのに、防寒着らしきものを着ていない北川さんの姿に驚いてしまった。マフラーだけでコートなし・・・北の人間恐るべし。
「チェックインするか?」
「ですね、一度ホテルに寄っておきたいので。」
勝手知ったるホームグランドをすいすい歩く北川さんの後ろにくっつきながら街並みを見る。すでに陽はおちて、煌びやかな灯りが光っていた。寒いせいか空が高くみえるような気がする。東京ほどビルが高くないのかもしれない。
「ホワイトイルミネーション、1ケ月先でさ。残念だったな。」
「雪があると綺麗そうですね。」
まだ雪に覆われていないここが、ニュースでみるように雪がつもる街並みに変わる姿を想像できない。
ライトの光は雪に反射するとどんな風に変わるのだろう。道を歩く手をつなぐカップルや目的地に急ぐ人達。東京とはまったく違うリズムがここにはあって、なんだか詰めていた息が吐き出される様な気がするから不思議だ。
「寒いね~。」といいながら歩いているくせに、全然寒そうにしていないのは多分地元の人で、あきらかに防寒着で膨れ背中を丸めているのが観光客だろう。外国からの観光客の影響は札幌にもあるらしく、随分インターナショナルな会話が聞こえてくる。
アーケード街のドラックストアに大挙して押し寄せている姿は今や日本全国でみられるものだろう。
「ここでもすごいですね。」
「ああ、郊外のアウトレットモールはもっとすごい。」
「このアーケードを抜けたらホテルだ。地下にはバーもあるから飲み足りなければクダを巻くにはちょうどいい。」
何事もソツがない北川さん。本日泊まるホテルは1Fにはブティックがあり2Fにロビーとフロントだった。
「5分で降りてきます。高村さんは?」
「現地集合だよ、もう行って待っているはずだ。」
私はエレベーターに飛び乗り、逸る気を鎮めることに集中した。
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