アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
december.23.2015 ミネ、男とサウナに行く
-
「あれ?村崎?」
ナーバス度が半端ない12月のクリスマス3日間の初日をなんとかやり過ごした。
その帰り道、いきなり名前を呼ばれて振り向けばそこにいるのは鈴木。高校の時のクラスメイトで、つかず離れずの関係だ。そういえば鈴木が結婚してから飲みにいっていない。
「鈴木じゃん、どした?忘年会か?」
「祝日に忘年会なんかしないって。これからサウナに行こうかと思ってさ。」
「サウナ?」
「ああ・・・簡単に言えば家を追い出されたって言うか・・・顔を見たくないなんて言われちゃったりな俺なのです。」
「なのです・・・って。まさか離婚の危機?」
「いや違う。なんていうか男にはわからんのよ。嫁さんが妊娠中でナーバスなんだよね、つわりとか色々苦しいみたいでさ、痛い所もなくピンピンしている俺の顔が気にさわるらしくて。
一人にしてほしいという要望を素直に聞いて出てきた。行くとこないからサウナで一汗かいてビールのもうかなって。」
汗だくのあとのビールか。なんだかそれがとても素敵に思えた。疲れもろとも汗で流してしまうのは気分転換になりそうだし。
「俺も行こうかな。」
「おお~いいね。行こうぜ、ビール飲むぞ!」
友達とサウナ行ってビール飲んで過ごした。そんなこと嫁さんに言ったら本気で追い出されるんじゃないの?そんな心配をしながら、鈴木の近況報告に耳を傾けつつ目的地に向かった。
□
サウナの中でテレビをボハ~と見ながら汗だくだく状態だ。
特別見たい番組じゃないけど、サウナでテレビがないと長く入っていられない。10分入って5分休む。
水風呂には入らない。お湯や水で身体を流してしまうと汗が止まってしまうらしい。
サウナからでてじっと座って休んでいる間にけっこうな汗がでるのだ。減量する時はそうしているとボクサーの誰かが言っていたっけ。
水風呂に入ると「ヒャハ!」ってなるから、あまり好きじゃない。
サウナの中にはオッサンが一人と俺達しかいなかった。10分と決めているくせに、なんとなくオッサンより先に出たくない競争心・・・困ったもんだ。
ボンと腹のでたオッサンをなんとなく見ながら、あの腹にはなりたくないと思う。別に太っているわけじゃないけど、なんせ食べることから離れられない仕事だから気をつけなくちゃ。
1mくらい離れて座っている鈴木は、今のところ標準体型だ。筋肉はないが・・・。
「けっこう腕たくましいのな。ムキムキってほどじゃないけど。」
鈴木が俺の腕を見てそんなことを言う。まあね、特別鍛えているわけじゃないけど、肉体労働ですから。
「でっかい寸胴持ち上げたりを毎日してるわけ。こないだハンバーグを仕込んだけど、肉だけで3kgだぜ?それ捏ねると腕がプルプルするよ。固形も液体もけっこう重い。自然と腕力はつくかな。」
「へえ~。そういえば飯塚と一緒なんだって?」
飯塚と一緒なのはサトルです・・・。
「スタッフが揃って、ようやく形になったって所だね。たまには嫁さん連れて来いよ。」
「だな~。状態が落ち着いたら一緒にいこうかな。」
飯塚とサトルを思い出したせいで疑問が浮かんでしまった。
あの二人がサウナに入ったとしよう、お互いスッポンポンは大丈夫なんだろうか。鈴木や腹のでたオッサンを見たらハアハアしちゃったりするのかな。
・・・全然わからん。俺は全然ハアハアしない。未知の領域すぎて想像もできない。
「村崎って女にモテたけどさ、男にもモテてたよな。」
「はあ?初耳だぞ。」
「え~まじで?何人かいたって聞いたぞ?でも飯塚との仲良しっぷりを見て諦めたとか何とか。そんな噂を女どもが楽しそうに話していた。」
よりによって鉄仮面と噂ってオイ!怒りすぎて笑顔になったサトルが浮かんでくる。コワイ!
「そんなベッタリしてなかったじゃんか。」
「べったりっていうか、男同士で弁当の交換とかさ、あれ?って思うだろ。」
心外だ・・・。あれは研究の成果をお互いに報告し合っていただけで「イチャイチャ弁当交換」ではない!
「勉強してたんだよ!」
「まあ、そうなんだろうな。でも仲良しには変わりないじゃないか。今も一緒に働いているわけだし。
男同士ってよくわからんけど、俺一人だけイケるかもって男がいる。」
「サウナで話すにはかなり微妙な議題だな。しょうがないから聞いてやるよ、それ誰?」
「体操選手の加藤君。」
「加藤君って・・・呼び捨てじゃなく「君」つけちゃってるあたりに本気度が滲んでいるな。」
「だって美人顔だし。」
加藤・・・内村じゃなく田中兄弟でもなくシライ・・・の他?
あああ~あああ~わかったわかった。
綺麗な顔した人ね・・・でもムキムキだぞ。う~~~ん。
「マッチョだろ・・・俺は無理。」
「美人でマッチョ!まさしくギャップ萌え。うわ、言葉にするとヤバすぎる。」
ヘラヘラ笑う鈴木を見たら、馬鹿馬鹿しくなってナーバス度が少し減った気がした。
思い切りかいた汗のせいで心なしか体の中がスッキリした感がある。
こいつが加藤君に妄想しようと、俺には関係のないことだし、イケるかもな男を探す気には全然ならない。
まてよ?じゃあ、ハルにもイケる気がする女っているんだろうか・・・。それはなかなか興味深い。
でもそれ聞いたら、ものすごい冷やかな顔をされそうだ。これから年末までの日々、ハルを怒らせて業務に響いたら大変だ。
それに俺とのクリスマスだって取り消しになってしまう!それは駄目だ。
「お前の加藤君好きはわかったよ・・・。そろそろあがらないか?俺ビールのみたい!」
「おお、いいね~。身体に沁みこむだろうな、旨そう!そうと決まればここにはいられん。」
鈴木は勢いよく立ち上がるとサウナ室から出て行った。いきなりすぎでしょ、鈴木君。
飯塚君・・・ナシ
サトル君・・・ありといえばアリ
ハル君・・・アリだけど、ハルだけでいい気がする
トア君・・・アリ
頭の悪い人のようなことを考えながら立ち上がる。ちょっとクラっときた。
ビール飲む前に水飲んだほうがいいだろうな。
ビール片手に鈴木と過ごせば、気も紛れるだろうし、ナーバスから解放されるかもしれない。
さて頑張るか!今年もあと少し。乗り切ってみせよう実巳君!
お・・・実巳君はありだな♪
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
154 / 474