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january.28.2016 正明の心配のはずが・・・理さん!
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引っ越しして大丈夫なんだろうか。
最近ふとした時に沸いてくる不安というか予感を頭からしめだす。俺が考えたところでどうにもならないことだ。でも・・・正明には幸せになってほしい、ミネ派の俺からすれば好きになるのなんて簡単だと思う。でもな・・・ミネはどっからみてもストレートだ。
それを言ったら俺も衛もそうだったわけで・・・。
「なにを考えて、そんな眉間に皺なんだよ。」
「眉間の皺は衛にまかせた。おれは皺のないオッサンになる。」
「ごまかすなよ。」
ううう・・・やはりですか。こと俺に関して、本当にこいつは勘がいいというか先回りが完璧だ。ついでに適度に放置して経過をみるなんて技を使う時もある。
ようは俺が自分で答えをだしたり納得するまで待っていてくれるということなんだけど。
「北川から何か言われたのか?」
「え?なんで?」
「う~ん。なんだか前より北川の様子を見ているだろ。」
そういうお前は俺の観察かよ!と言い返そうとしてやめた。絶対「当たり前だろう。」とか平気で言うに違いない。恥ずかしエリアにかする言葉からは遠ざかるべきだ。
「んん・・・なんというか。引っ越しして大丈夫かなって。」
「大丈夫?何かあるのか、あの二人に。」
「いや・・・何か起きちゃったりするんじゃないかなって・・・ちょっと心配。」
衛はボスっとソファの背もたれに体を預けた。持っていたワインを飲み干して、空のグラスを俺に押し付けてくる。はいはい、おかわりですね。
真剣にグラスを持たないとこぼれるぜっ!てくらいたっぷり注いでグラスを渡すと。衛はしかめっ面をしながら受け取った。
「なんかたまに子供みたいなことするよな。可愛いからいいけど。」
ぐはっ!恥ずかしエリアに堂々と入ってきやがった・・・裏目にでたか。
「こ・・・ぼすなよ。もったいないからな。」
「理がしたくせに。」
可笑しそうに唇を緩めた顔は、俺の「好きな顔リスト」に入っている笑顔だ。こういう勝負で俺は負けっぱなし。衛をドキドキさせていたのは俺だという自信があったのに、最近はどうにも逆転されている気がする。
「話を戻すけど、大丈夫だから入寮しろって村崎は言ったわけだし、北川もお世話になりますってことになったわけだ。周りが何を言ったところでこればっかりはどうしようもない。」
「まあ、そうだけどね。」
確かにそのとおりだ。俺だって別に正明に相談されたわけじゃない。
「成るようにしかならないし、それで何か不具合が生じたら俺達で何とかするしかないだろう?その時はその時だ。まあ、確かに同期で出逢って同僚になった時、理とこんな関係になるとは微塵も思わなかったわけだ。それを考えると、二人の関係が変ったり、こじれることになるかもしれないな。
でも今からその心配しても仕方がない。」
はい、一々ごもっともです。
「自分がどうしたいかって事を考えれば、物事はシンプルだ。」
「まあ、そうだけどさ~。」
「理と一緒にいる、俺はそれを実現させるために行動することに決めた・・・あまり思い出したくないけど。」
「なんで?」
「ヘタレすぎて・・・けっこう恥ずかしい。思い出したくないのに、時々思い出すんだよ。シャツの包みばっかり増えていく経緯とか、意を決したのに途中で逃げ出したりな・・・消したい過去だ。」
俺も思い出すけど、そのたびにホンワカする。床に並べられたシャツの包みは衛の気持ちが積み重なった形みたいに思えた。お互いの気持ちを打ち明ける前だったけれど、あの日俺達は一緒だ、同じ気持ちでいるはずだと思えた。それを言うならそれから3ケ月も放置していたのは俺も同罪。充分ヘタレだ。
「でも衛が来てくれたから、あの日にようやくまとまったわけじゃん。」
「鍵をかけない癖が改善されていたら、俺は本気で帰っただろうな。」
「バ~カ。あれで帰すと思うか?俺だってもういい加減辛抱タマラン!状態にあの生殺しプレイはないだろ?だから俺はわざと鍵かけないでドアの前に待機してたんだぞ。めちゃめちゃ足が冷たかった。」
「・・・そうだったの・・・か。」
うわ~~そこでそのホワンとした顔で、おまけに赤面とかやめてくれないか!ぬおおお!
「気づいてなかったのか!」
「・・・うん。」
衛はおもむろに両手で顔を覆った。
「やっぱり、俺のヘタレ度すごいことになっている。恥ずかしい、情けない。」
「その割に、最近は全然違うじゃないか。」
「・・・そうかな。」
なんだか色々、辛抱タマラン度が膨らんできた。あの日のことを思い出しちゃったからかもしれない。おまけに赤面した顔とか、久しぶりに見てしまったせいかも・・・。
ソファから勢いよく立ち上がって衛の足の間に無理矢理両足を突っ込んだ。ムギュウと衛を抱き締める。お腹のあたりに衛の顔。ついでに頭をポンポンしてやった。
「でも、今は俺の勝ち。」
男前がヘタレになって可愛いいに変身。久しぶりにゲット!
考えてみたら俺達、いつもベタベタしているわけじゃないけど・・・それなりにくっついたりしている。
衛以外になんだろ・・・こういうじっとしていられなくなる感じ?なったことがない。だからやっぱり俺の相手は衛なんだな~って実感したら嬉しくなった。
むぎゅう
いきなり両側から尻を握られた。
あわてて飛び退く。
「おい!こら!どこ触ってんだ!」
「おしり。」
お・・・しぃり?だと?男らしくケツとか尻にしろ!なんなんだ!可愛い子ぶるな!(可愛いけど・・・)
「理。」
「・・・なに。」
「おいで。」
そんな優しい顔するなよ・・・。
そして俺が抵抗できるはずもなく、衛に向かって動く足。伸びる腕。
包まれる安堵と歓び。
んん・・・やっぱり俺の相手は衛だけだな。
それがとっても嬉しくて幸せ。
よかった・・・一緒で。
結局、正明の心配なんて消えてしまった現金な俺だった・・・。
一応ちゃんと反省した、次の日の朝だけど。
だってさ~考え事なんかできない…状態?
ウキャ!恥ずかしい!♥
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