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january.31.2016 「ニオイの日」ハルの好きな香り
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無味無臭・・・。
トアさんが変なことを言うから、僕はちょっとドキっとしちゃいました。トアさんとのおしゃべりで、2/1は「ニオイの日」だと判明。そんな日があるんですね~ってちょっと驚きました。ファブリーズ絡みらしいです。修造さんの顔が目に浮かんでしまいますよね、ファブリーズといえば修造一家。
トアさんの言う「無味無臭」は「自分は何てことない人間ですし、香水は買った事がないので香りには無縁です。」という事でした。
エンタメ味があるじゃないですか~なんて言ってみたものの、僕の頭に浮かんだのはミネさん。
ミネさんの匂いは、いつも美味しそうです。
いやいや・・・そのですね、料理の匂いってことです。それを言ったら飯塚さんもそうですよ、美味しそうな匂いがしています。
美味しい料理のモクモクの中に常にいるわけなので、当然でしょう。
ここで働くときにミネさんに言われたのです。
「香水関係は一切ダメな。寿司屋や和食ほどではないにしろ、働く人間が余計な香りをつけておく必要はないし。指輪やピアスもなし。まあ、ハルは耳に穴あいてないみたいだけど。
あとね、柔軟剤も過剰なのはダメ。あれも無駄に臭いから。」
大賛成です。洗濯洗剤の香りで充分です。TVCMで沢山流れている柔軟剤はどうかと思います。急いで走っても~電車でギュウギュウになっても~体温上がると香りますみたいな、あれです。なんか嫌だな。僕は甘い香りが苦手です。フローラルとかバニラの甘い系。ムワってなるので、シャンプー選びが大変だったり。
僕がお気に入りで使っているのは「LUX ルミニークアンストレス」
これはグリーンのボトルが綺麗で爽やかグリーン系の香りなので、男子でも大丈夫。ここに辿りつくまで色々買いました。おまけに最近大きいボトルが多いので失敗すると大変です。
「OOの爽やかな香り」「優しく香るフローラル」とか、とにかくラベルとにらめっこ。本当はそこでボトルを開けて匂をかぎたいくらいですが・・・それって会計前に食べちゃう人みたいじゃないですか?
お行儀悪いですよね、やっぱり。
トアさんなんかシャンプー決まってないんですよ!
おまけに毎回「適当」に買うんですって。そしてそのままボトルに詰め替えるらしいです。
「色々なのが混ざって効果倍増とかないですかね?」
「ありません。長いこと置いておくと成分が変化しちゃうんですよ?詰め替える前にはボトルを綺麗に洗う、これ常識です。」
「え・・・常識ですか。」
「そうです。そしてシャンプーとコンディショナーのラインは変えないこと。一緒じゃないと効果が薄れるってタケさんが言ってました。」
「うわ~。僕のしていることは、アニキに弟を混ぜちゃってオールアニキ状態にしちゃっていたってことですか・・・新しいものが古いものに侵食。考えを改めなくてはいけないですね。」
「そうですよ~、それにトアさんが甘ったるいフローラルの香りだったら嫌だな。」
「何が僕に合いそうです?」
「ええ~と、前使ってたISMのアクアブルーはいけそうですよ。」
「メモしておこう。いやいや検索の方が早い。amazonさんにあるかな~。おおお、ありました!おまけに割引価格でプライムOKですよ。さっそくポチります。」
「行動早いですね・・・。」
「ええ、ハルさんの言うとおり、色々なアニキと弟が混ざっていると言われてしまったら、なんだか髪を洗っても綺麗になった気がしません。どうせ、もう残り少なかったし。」
僕より結構(いやそれも結構)年上さんなのに、トアさん全然大人感がないですよね。3月に放映される番組の映像では格好良かったし、大人の男の人だったのに。
ミネさんはどんなシャンプー使っているのかな。こだわりとかあるのかな。あるような気もするし、無いような気もするし・・・。
お揃いのシャンプーにしちゃう?僕と同じ香り?えへへへへ。
「ハルさん、どうしました?えらいニヤけてますよ?さては帰ってから食べるオヤツのことを思い出しましたね?」
「あははは、です。」
本当の事は言えない、言えない。
「あれ?理さんと飯塚さんいないですね。」
「なんかさっき出ていきましたよ?」
「買い物ですかね。」
「買い物デート?仲がいいことです。」
買い物もデートになるのか。食料品の買い出しもデートみたいなもの?一緒に住んで、お買いものも一緒。・・・まずい、うかれモードになりそうだ。
「そっちの二人~。コーヒーあるけど飲むか~?」
「飲みます!」
僕はトアさんと自分のマグを持って厨房に。理さんと飯塚さんの分がお裾分けってことですね。
コーヒーメーカーの横にはオリーブグリーンのマグがあって、中にコーヒーがユラユラしています。2つのマグにコーヒーを注いでいると、横でミネさんがしゃがんだ。シュガースティックが箱から2本ばかり飛び出しているのを直すらしい。そのときフワっと香ったシャンプー。
フローラルでもバニラでもなかった!柑橘系・・・です。
シュガースティックをきちんと箱に戻したミネさんはピョコンと立ち上がった。
ええ・・と僕は固まっていたわけで、甘くもバニラでもフローラルでもなくて、なんだかほっとしちゃってボーっと立っていたわけです。
「どした?」
「あ~・・・。えと、ミネさんのシャンプーが僕の苦手な香りじゃなかったので、よかったな・・・とか考えていたところです。」
下手に嘘を言っても仕方がない。墓穴を掘るだけだから、さらっと言ってしまおう。
「これ、柚子なんだわ。攻撃的柑橘系は苦手でね、優しいほうが俺好み。「凛恋」ってラインだったかな。」
「りんれん?」
「そ、凛とした恋という名のシャンプーです。」
「凛とした・・・恋。」
そんなことを言うから僕の心臓は大はりきりでドキドキを始めました。
ミネさんは僕の髪をワシャワシャします!も~やめてください。触るな危険です!
「俺は知ってるもんね~。ハルのシャンプーいい香り。爽やかで自然な香りだな。これも捨てがたい香りなのよね~。」
ミネさんは僕の頭の鼻先を近づけてクンクンした。
・・・お願いです。嗅ぐな危険・・・です。
「お互い、ばくりっこして、どっちにするか決めようか。」
「・・・何をですか?」
「ん?シャンプー。だって4本置いてあるより、2本で済むならそっちのほうがいいじゃんか。無くなったら替りばんこに買うの。どお?」
どお?って・・・そんな顔で・・・。聞かないで危険・・・です!
「お、そうなったらボディーシャンプーとか洗濯の洗剤とか?歯磨き粉とか?色々あるよね~生活用品。ひとまとめにしちゃえるものと、俺これは譲れないね、僕こそこれは譲れません!とか?
なんか色々毎日暮らすだけで発見があったり、楽しそうだな。
ハル、焦らしてないで早いとこ俺の所にきなさい。」
はうぅぅぅ。
ニャハハ~~と笑いながらミネさんはテーブルに戻っていた。
ぼくはヘナヘナ床にしゃがみ込む。
あ~~心臓に悪い、色々な所に悪い。悪い、悪い。
でも嬉しい・・・嬉しい・・・えへへへへ。
日用品のあれこれか・・・。
一緒に暮らすって、そんなことも知れるってことなんだ。
良いことばっかりじゃないのはわかっています。
でもやっぱり、僕は嬉しかったりなのです。
えへへへ。
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