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March.3.2016 トア温泉プロジェクトに挑む
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オープン戦で頑張るオコエ君の情報収集をしたりamazonプレミアムで見なくてもいい映画や海外ドラマに寄り道をしている隙に日々は流れるように無駄に過ぎ去った・・・。
今日の中休み飯塚さんに言われたのです。
「トア、そういえば温泉の日は日曜・祝日の日程だよな。そもそも空室があるのか?客室露天風呂を持っている施設は少ないだろうし、施設内でも少数だろうからチェックしとかないとまずくないか?」
ちょっと温泉情報にうとい僕は、へえ~なんて思いつつ夜ちゃんと調べようと決めたわけです。
で・・・で・・・・です。
空室がない!の~~です!登別温泉、客室露天風呂どころではなく大浴場のみだろうがなんだろうがないのです。登別がだめなら洞爺まで足を延ばせばどうだろう。
ぐおおおお~洞爺も空室がない!
旅窓もじゃらんもダメ、JTBもだめ、直接電話してみたけどダメ。
・・・・・・・最悪だ。
定山渓に3件空あり・・・。でもですよ?札幌に住んでいながらなぜに定山渓。それに翌日向かう先は真逆の方向だったりします。定山渓だって客室露天風呂の部屋は空いていないし。
北広島IC近くの健康ランドに泊まって高速に乗る・・・健康ランドでOKがでるはずがない。
支笏湖温泉があるじゃないか!お願いします!支笏湖さん!
ガーン。空いていない。
千歳エアポートホテル?んなばかな、そんな候補しかないという現実。
ここで僕は考えてしまいました。何日か時間を浪費したかもしれないですが、これほどの満室状況はたぶん速攻着手しても同じだったはずだ。ええ、そうです。
くそう、いっそのこと先までいってしまえばいい!THE襟裳。襟裳岬の30m級の突風を生体験という寒い時期にぴったりな冒険ができますよ~。あ・・・コテージしか空いていません。
それもどうかと・・・。
あら?あれ?オーヴェルジュがあるじゃないですか!なんということだ!
メゾメットのお部屋・・・ふむふむ。お風呂もあるし、夜はフレンチ。おおお~これぞオーベルジュ。
とりあえず、ポチっておこう。そして明日結論をだしてキャンセルなら仕方がない。
一抹の不安と妙な達成感のミックスを抱えつつ就寝。
ええ・・・夢にでてきましたよ。皆さんにガーガー言われる夢を見て、ウンウンうなされました。
朝起きたら寝る前よりぐったりです。
温泉は大変・・・です。ご利用は計画的にとはよくいったものだ・・・温泉じゃないけど。
<翌日中休み>
皆で賄を食べている時に昨晩の調査結果を伝えました。
「やっぱりか。(祝日+平日)とか(日曜+平日)だと予約しやすいけど(日曜+祝日)は厳しいだろうな。なにせ最近は中国・韓国・台湾だけじゃなく東南アジア全域から観光客が来ているし温泉は人気らしいから。」
飯塚さんがやっぱりな~顔です。ええ、そのとおりです。
「村崎が言いだした日に当たっていたら多少は違ったかもしれない。でも料金はかなり高いはず。」
「高いってどんくらいするの?ちなみに理と行ったとこはどんくらい?」
「あの時期はそうでもなかった。なんだかんだ¥35000くらいだったかな。」
「まじ?たか!バイキングでわいわい一泊¥8000~なTVCMやってんじゃん。」
「あれはな、その値段の下に(1室4名様利用の場合)とか小さく表記されているだろ。バイキングならその程度になるけれど部屋食にしただけで簡単に2~3千円UPになる。ちなみに理と行ったところ、ハイシーズンの値段は基本料金が¥45000前後になる。それに飲み物代やなにかが加われば5万みないといけないだろうな。」
ミネさんフォークを持ったまま口がポカンです。驚きポカンなのか巻きつけたパスタを口にいれるのか。たぶん両方ですね。
「俺、温泉舐めてた!世間を舐めてた!」
「じゃあ、今回は諦める?実家に5人泊まれなくもないけど、それってかえって気疲れするだろうし。温泉は地元にもあるけど、じいちゃんからちびっこまで幅広く利用しているからね。温泉問題は解決されない。」
ハルさん、めちゃめちゃホッとした顔です。行きたくないわけですか、温泉。正直言うと僕は行きたいですよ。楽しそうですから。
僕は恐る恐る畳んだ紙を広げてテーブルの上に置きました。
「実はオーヴェルジュの空があります。」
「オーベルジュってなんですか?トアさん。」
「ええとですね。郊外というか人里はなれたところにあるリゾート的な閉鎖空間でゆったり過ごせる宿泊施設です。夕食はフレンチのフルコースが多いようですね。」
「フレンチ!フルコース!食べたことありません!」
理さんは首をひねっております。
「俺知らないなここ。こんなところあったんだ、へえ~。何もないよ周り。遊ぶ場所もなければ見るものなし。」
「星が綺麗らしいです。口コミをみるかぎり。」
「あ~そりゃそうだ。田舎で街灯だって少ないし、この住所からするとマジで何にもないから星は綺麗だろうね。夜が暗いんだ、田舎って。」
夜が暗い。なんだか知的なフレーズです。そうか・・・札幌はネオンや沢山の生活の灯りであふれています。空を見上げても月以外の星はあまり見えない。
暗くて黒い空に瞬く星はとても綺麗でしょうね。
「トア、肝心の予算を聞こうか。どんくらいになる?」
「はい、もろもろ¥25000/1人でお釣りがくると。」
「よし、そこにしよう!」
「実は昨晩予約だけはしておきました、残り1室だったので。」
おおお~~~と皆さんがフォークと置いて拍手してくれました。よかった・・・夢でうなされた甲斐があったというものです。
ハルさんが挙手、質問があるみたいですね。
「トアさん。お風呂って・・・その。」
「ああ、お部屋にもありますし、スパみたいなのが別にあるようです。そこは予約制・時間制なので他の人と鉢合わせにはならない仕組みになっています。」
ようやくハルさんが笑顔になりました。
「ほんと、色々大変だな~ハル。」
「ミネさんがそれ言いますか!」
「ん?どういうこと?」
「・・・どうもしません。」
ハルさんは意味不明のふーふーふー呼吸をしながらお皿をさげるために厨房に行ってしまいました。
「え?なに俺のせいなの?誰か説明して?」
理さんがハルさんに続き、飯塚さんがその後を追い、僕とミネさんだけが残ったテーブル。
「全然わかんね~。」
「僕にもわかりません。」
「でもありがとうな、トア。助かった。もっと計画性を持って次から決めるからさ、これに懲りずに協力してな?」
ニヘラっと笑うミネさんに抵抗できる人間がいるならここに連れてきてほしい。
「まかせてください!」
・・・そう言ってしまう僕なのでした。
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