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March.11.2016 ♡
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繋がって・・・重みを受け止めて安堵する。握り合った手の平の大きさに涙がでそうになってしがみ付く。
自分を見詰める視線の力強さに胸が温かくなって足を絡める。
「衛・・・。」
名前を呼ぶと返事の代わりに深い所に存在を感じる。
「衛・・・。」
「ま・・もり。」
何回も名前を呼んで、何度も返事をもらう。一つの塊になってしまえばいいのに。
それなら離れることはない、ずっと一緒だと安心できるのに。
でも同化したいわけじゃない。向かい側で、隣で、同じ場所を見詰めていたいから一つの塊じゃ駄目で・・・。
色々矛盾ばかりで怖くなる。
「なにを考えている?」
頬に触れる唇の柔らかさを感じると、怖いと思う気持ちが小さくなっていく。
「衛・・・のこと。」
「一緒だから・・・ずっと傍にいるから大丈夫。」
本格的に涙がでそうになって強くしがみつく。言葉が足りない俺の心の中を簡単に覗き込んで欲しい言葉をくれる。そんな存在をどうしたら手放すことができるだろう。
できるはずもない。するつもりもない。
「・・・ん、ぁ。」
繋がっている確かさと、包み込まれる温かさが鼓動のピッチを押し上げる。
傍にいるから大丈夫・・・うん、大丈夫。
こうやって確かめ合って、お互いが必要だってことを何度も何度も実感する。実感して・・・安心して・・・嬉しくなって・・・少し怖くなって・・・昇ったり・・・落ちたり・・・沈んで・・・浮き上がる。
手を伸ばせばしっかり握ってもらえて
頬に手を伸ばせば手のひらにキスがもらえて
黒い瞳に自分の顔が映り込んで揺れている。
自分の瞳にも衛が映って揺れていることを願ってしまう。
心の奥でもなく、身体の奥でもなく、とても深い所。自分でも届かない何処かに衛は簡単に潜りこんで熱を生み出す。だから受け止めて・・・受け止めて・・・俺のものにする。
心の欠片・・・衛の欠片・・・愛しい欠片
俺の欠片は衛の心の中に何を生み出すのだろう。
「衛・・・。」
「ま・・もり。」
熱を留めておくには大きくなりすぎて、もう自分ではどうすることもできない。
愛おしいという気持ちも大きくなりすぎて、いつか自分を突き破って消えてしまわないかと・・・また怖くなる。
背中にまわした腕に力を込める。
これ以上離れていかないように、一つの塊になれるように・・・今だけなれるように。
「理・・・愛してる。」
グワンと心が揺れたせいで涙が簡単に溢れて・・・少し恥ずかしいけれど嬉しくもある。
いつも欲しい時に欲しい言葉をくれる。
「ま・・もり、ずっと一緒にいて。傍にい・・・て。あ・・・もっ・・・。」
心も揺れて・・・体も揺れて・・・
熱くなって・・・
しがみ付いて・・・受け止めてもらって・・・受け止めて・・・
二人がひとつになって・・・ひとつになって・・・・
昇りつめた先にあるのは何?
「さ・・・とる。うっ・・・く。」
かすれた声に脳が痺れて・・・力が抜けて・・・すべてを解き放つ。
かすんだ先にみえる黒い瞳を見詰めて、映る自分と対峙して・・・沸きあがる想いをそっと告げることにした。
「衛・・・あい・・してる。」
何回言っても足りないんだ。
「愛している」以上のこの想いを伝えるには・・・足りないんだ。
どうしよう・・・足りない。
「理・・・愛しているだけじゃ足りない。言葉じゃ足りない、だから傍にいる。だから傍にいてくれ。」
ほら・・・欲しい時に欲しい言葉をくれる。
返事のかわりに
承諾のしるしに
同じ想いだと伝えたくて
どこにも行かないで傍にいる誓いをこめて、汗ばむ背中に腕を絡める。
「傍にいる・・・よ。」
ずっと・・・ずっと・・・傍にいる・・・よ
END
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衛と理のR18シーンを読んでみたいという皆さんのリクエストにお応えして!って誰からももらっていないのですが・・・ww
具体的な動きを描写することなくR18的な雰囲気をだすことはできないか?それもギリギリのところで踏みとどまってるくらい、突っ込んだもの。そのチャレンジを形にしてみました。
出来上がってみたら別にエッチな感じもせず、ましてやエロくもないものだった・・・すいません。
なぜこのようなものをUPしたかといいますと、2015.3.11 18:52 これがこの小説のスタートした日です。
そうです1周年を迎えることができました。
25歳リーマン同士のニアLOVEを目指して書き始めたわけですが、今やすっかりこんな二人に育っています。一度完結させたものの、いただいたコメントでやる気になって再開させるという無謀を見切り発車させて現在もまだ進行中。(私が一番驚いています。)
日々読んでくださる方の数やコメント、イイネのおかげで何とか言葉をひっぱりだすことのできる毎日です。
これがお礼になるのか、甚だ疑問ではございますが・・・(笑)
(一応「非R18」が看板ですから、モロなエッチは駄目なので~す。だから白い「♡」)
今後ともSABUROの面々、そして周囲の登場人物達に寄り添ってくださると嬉しいです。
来年の今日もまだ皆さんとともに日々を過ごしていることを願いつつ、明日からの毎日を積み重ねていこう。
そんな想いをこめた、1周年記念のUPでございます。
せい
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