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april.4.2016 ハルの指南
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「ここの休みは月曜だったけ?」
「そうです、定休日は月曜日ですね。」
ランチを終えたギイさんのお皿を下げに行ったら、休みを聞かれたのです。こんなことは初めて。
ギイさんはなにやら言いたそうにしているのにモジモジというか、言いにくそうにしている。そんなギイさんを見たことがなかった僕は驚くよりも興味がわいた。
うわ、この人何を隠したがっているのかな。知りた~い。
「次の月曜はヒマか?」
僕の月曜日、予定はないけれど、することは沢山ある。洗濯をして、買い物と常備菜をつくったり。
そういえば僕は毎週この繰り返しだ。映画を見に行くとか、買い物にいくなんてこと全然していない。
どんだけミネさん満喫生活だって考えたら、ちょっと怖くなった。依存症になったらどうしよう。あ、すでに手遅れかな。
「ヒマといいますか。そうですね午前中なら大丈夫ですよ。」
洗濯は朝イチで済ませて、朝御飯は勿論食べる。買い物と常備菜作りを午後にまわしてもらえば何とかなるかな。
「悪いけど、俺の家に来てほしいんだ。」
ギイさんの意外すぎる言葉と照れくさそうにしている姿に、今度こそ驚いた。
俺の家にこないかって口説き文句100%ですよね?でもギイさんの口調は全然違っていて・・・はじめてこの人でも可愛い顔できるんだってことが何だか笑えてしまった僕は理由も聞かないまま頷いてしまったのです。
<< そして問題の月曜日
友達と逢ってきますと言った僕にミネさんは最初キョトンとしたけれど、「休みだもんな、行っておいで、行っておいで。」とアッサリ言ってくれました。午後には戻ると伝えると、気にしなくていいよとのこと。
ミネさんは気にしなくても僕が気にします。ミネさんと台所に並んで立つのは僕にとって至福の時ですから、それを逃すのは嫌なのです。
そして僕は今ギイさんの家におります。何とびっくりなことに、10帖の1DKでした。僕の想像では2DK以上の間取りで、お洒落な家具に囲まれてソファでショットグラスでバーボンなイメージだったので、これまた驚きです。
「悪いな、狭いんだよ、俺の部屋。」
僕のビックリ顔を見たギイさんが苦笑いしながら頭をポリポリした。それでまた驚いてしまって、アハハハと笑ってしまう。なんかギイさん雰囲気変わりましたよね、それになんだか可愛くなってますよね!
「男を連れ込む部屋じゃないからな、狭くていいんだよ。部屋が増えれば掃除も面倒だし。」
「そんなこと聞いてないのに、ギイさんヘンなの~。へえ、ここには男の人こないのですか。」
「そ、遊び相手に自分の会社とか家を教えるわけない。面倒くさいことになったら困る。」
そんなギイさんの事情を聴かせるために僕を呼んだわけじゃないですよね。・・・家じゃないとできないことって何だろ?内緒話?
・・・いやいやいや、そっちは違います。連れ込まないって言いましたよね、ギイさん。
「実は・・・簡単に作れる料理を教えてくれないか?」
「は?」
僕は意外すぎる言葉に棒立ちになりました。料理・・・ですか?それって食べてもらいたい相手ができたってことですよね?うわ~~遊び相手じゃないってことですよね?うわ~~うわ~~。
「うわ~うわ~言うな!恥ずかしいだろうが!!」
うっかり声にでてしまっていたようです・・・。
「ええ~それ先に言ってくださいよ。こんなことならミネさんに気のきいた料理を聞いてきたのに。」
「ミネさん?」
「うちのオーナーシェフです!」
「・・・嫌味か、オイ。俺にプロのレシピをどうこうできるわけないだろうが。キイのレベルだってクリアできるか怪しいんだぞ。」
「最近の僕はけっこうレベル上がったんですよ。ここでガトーショコラを作れと言われても出来る気がします。」
「ガトー?」
「ケーキですけどね。」
「あ・・・ケーキはそのうち。ゆくゆくは頑張りたい。」
うわ・・・ギイさん、本気っぽい。どんな人なんだろう、ギイさんが遊びじゃない相手と過ごす姿なんて想像できないです。気になりますけど、ここで聞くのは子供っぽいですよね。聞かせてくれるまで待つことにしようかな。
「じゃあ、レトルトソースで簡単にできるパスタと、つまみと・・・あとパンでどうでしょう。」
「パンは焼ける気がしない。」
「パンを美味しくいただく一皿だから焼けなくても問題なし。台所調査させていただきます。」
僕はギイさんのキッチンに向かった。綺麗にしています・・・というか使った形跡がかなり薄いですね。
シンクは乾燥しているくらいです、水すらだしていないのかも。
冷蔵庫・・・水とビールだけ。
シンク下、鍋がひとつとフライパンがひとつ。ボールが2こ。包丁は1本だけ。
「調味料はどこに格納ですか?」
「冷蔵庫の中。」
え?さっき見ましたって。もう一度冷蔵庫を覗きこんだら、ドアポケットにそれこそポケットサイズの醤油がチマっと収まっていました。これを自宅に備蓄している人を初めて見ました!
「あっただろ、醤油の他はタッパーの中。」
タッパー?あ~これですか。
パカっと開けたら、コンビニの30円ドレッシングとか、ケチャップ&マスタード、マヨネーズ、ソース。全部コンビニ仕様か弁当に入っている類のアレです。うぐぐぐ、これも調味料というのか!これをみたらミネさんは何て言うだろう・・・絶望しそうです。僕も軽く絶望、そして前途多難な予感。
「ギイさん・・・まずは買い物にいかなくては話になりません!」
「お・・おう。」
こうして僕たちは買い物にいくことになりました。
大丈夫だろうか?マスターできますかね・・・ギイさん。
つづく⇒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日より3話を一日一話ずつUPしま~~す。
さて、どうなることか、ギイさんとハルの料理教室。ギイさん、マスターにゾッコンなんですね、こんなことハルに頼むくらいだし。
包丁で切っちゃって、指を咥えたり舐められたりするっていうのは0%ありませんww
ベタなシーンですけど・・・ギイさんとハルじゃ罰ゲームにしかならない(笑)
トアの家に遊びにいったハル。その時にトアが作った「魚肉ソーセージ、ケチャップ炒め。これをtwitterで紹介してくださった読者さんがいらっしゃいます。(ありがとうございます。)
10000超えのビューになっており、なんだか有難いやら嬉しいやらです。
この3話はその返礼的なエピソードとしてまとめました。
コメント他、色々な形で読者さんと繋がっていけたらいいな~と。
いつも読んでくださりありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします!!
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