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may.2.2016 8:07am ミネ
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「おはよ・・・っていないのか。」
何となくいつもと違う空気だなとキッチンに足を踏み入れて思い出す。今日の朝ハルはいない。ボケボケした顔をして「おはようございます。」と差し出されるマグカップがなくて、なんだか気が抜ける。
水でも飲むか・・・でも朝のコーヒーは捨てがたい。結局自分でコーヒーを準備して適当に選んだマグに注いでリビングへ。ソファに座ってテレビをつけるとニュースではGWの渋滞や観光地の風景が報じられている。薄暗いと思えばカーテンが開いていない。
なんだ・・・俺、朝何もしてなかったんだな。
コーヒーもカーテンも全部ハルがしてくれていた。フワフワの髪の毛もないから、マグカップをずっと持っているしかない。
「久しぶりにお泊りです。」ハルの報告はそれだけだった。俺もそれ以上聞かなかった。「誰と?」は少々つっこみ過ぎだろう。「友達か?」それだって「はい。」と言われれば何も返す言葉がない。じゃあ、聞かない方がマシ。友達って言われても知らないし・・・一日中ずっと一緒に過ごしているのに、ハルの事何も知らないんだな・・・俺。そんなことに気が付いた朝は猛烈にツマラナイと思う。
仕方がないからキッチンに戻って朝飯の準備。魚・・・どうするか、やめとくか。常備菜はほとんど残っていない。そりゃそうだ、今日作る日だし。でも展示会に行くから時間が無い。帰ってきて気力があったら作るか。素敵な食器達を見たらテンションあがるかもしれないし。
味噌汁をつくって常備菜で朝飯にした。一人で暮らしていた時はサボらずちゃんと一人分の用意をして食べていたのに。向かいで「おいしっ!」って笑うハルが居ないてだけで、ホントなんか・・・。
「つまんね~~の!!!」
声にだしたら少しスッキリした。
後片付けをして洗濯機を回す。シャワー入って支度をしなくちゃな。飯塚と待ち合わせは10:00だから、まだ余裕がある。
良い物があったら少し数を揃えよう。来店客数が増えているし、季節で皿の色を変えれば同じ料理も印象がかわる。ブロッコリーは春なら黄色の皿に盛りつけたい。夏は真っ青のガラス皿に替えると緑が濃く目に映るしガラスは清涼感がある。そんなことを考えたら少し気持ちが上がった。
「はいはい、パンツ取り替えましたよ!」
いないハルに向かって声をだす。ややすっきり。
さっき洗濯機の中にパンツも着ていたTシャツもつっこんだから今マッパだったりする。
自分の部屋以外で素っ裸になったことがない俺は、今まさにその状態だということに気が付いてしまった。
猛烈に恥ずかしくなって浴室に飛び込んだ。
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