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july.11.2016 ミネの朝帰り 午前
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目が覚めた。
いつもよりこの家全体の空気がガランとしている気がする。
あ、そっか。ミネさん帰ってこなかったからか・・・。
トイレにいってからリビングのカーテンをあける。外はいい天気だから洗濯物をベランダに干せそうだ。
時計は7:30過ぎ。
ミネさんが起きた印のガタガタする音を聞いてコーヒーを淹れるのに、今日はその相手がいない。
何時に帰ってくるのかな、帰ってこないのかな。
これといってすることもないので、シャワーを浴びるために浴室に向かった。
ガシガシと頭を拭きながら自室に向かっていたら、リビングのドアの嵌め込みガラスに人影が映っている。
静かにドアをあけると、ソファにミネさんが座っていた。
「おかえり・・・なさい。」
「ん、ただいま・・・おはよ。」
ミネさんは疲れたような、どこかさびしげな顔をして何も言わない。
そのまま部屋に戻ることもできたけれど、何となくそれをしたくなくてキッチンに向かった。
いつものようにコーヒーを淹れる。
こぽこぽ、ごぽ、こぽこぽ
もくっとした湯気と呑気な音は僕を少し落ち着かせてくれた。
昨日は僕がしょんぼりしていた。
今日はミネさんがそんな顔。
「はい、どうぞ。」
ノロノロと顔をあげたミネさんが控えめに微笑んだ。
「ありがと・・・。」
いつものようにマグをしっかり握りこんで、ひとつため息をついた。
らしくないミネさんを見ていると何故か鼓動が大きくなっていく。
時計を見ると8:00少し過ぎ-いつもと変わらない月曜の朝。
「ミネさん?」
「ん~~?」
「今日は何曜日かわかってますか?」
コーヒーをコクっと飲みこんで不思議そうな顔をする。
「月曜日・・・だよな。」
「月曜日は洗濯をする日です!そして買い物もあります、一週間分の常備菜だってつくらなくちゃいけない。だからシャッキリしないとダメです。
それにね、昨日と同じ服で、おまけにパンツだって取り替えてないでしょ?
大人のくせに、汚いパンツは最低です。さっさとコーヒー飲んで、シャワー浴びてください。
こんないい天気なのにベランダに干さないともったいないですからね!」
「ハルはお母さんみたいだな、なんか安心するわ。」
コーヒーの残りを飲み干して、むっくりソファから立ち上がった。
僕の横を通り過ぎるとき、まだ濡れている前髪をグシャグシャとかき回す。
「ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ。」
なんてことない言葉なのに、僕はどうしようもなく泣きそうになって必死にこらえた。
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