アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
july.18.2016 ミネとハル その2 ミネ
-
目が覚めたら朝だった。時計をみればそれほど寝過ごしたわけじゃなくて安心した。ムクリと起き上がりシャワーを浴びることにする。
洗濯物を洗濯機につっこみ、着ているものもポイポイ入れた。
スイッチはハルが帰ってきてからでいい。いきなりのお泊りだったから着ているものは昨日と一緒だしね。朝帰りした時「昨日からパンツとりかえてないでしょう。」と言ったハルを思い出す。
同じこと言ってやろうかな。
シャワーを浴びてスッキリしたらコーヒーだ。
4杯分のコーヒーをセットする。
コポ・・・ゴポ・・・ゴポコポ
湯気と間抜けな音、香り。朝って感じがするな・・・。
これを毎朝しているハルは何を思いながらコーヒーいれるんだろ。今日の仕事の段取り?朝ごはんの支度?
ハルが考えること・・・そういえばたまに本を読んでいるけど、どんな本か知らなかったりする。たまに電話で話している友達。それが何人いるのか知らない。
読書以外の趣味?・・・知らない。
なんだ俺、知らないことばっかりじゃないか。それを言ったらハルだって俺の趣味を知らないだろう。
というより、俺が無趣味だってことを知らないが正解。
な~んにも話してないってことだな、俺達。
こんだけ一緒にいるのに知らないことだらけ。それはおいおい解決できる。今問題はそこじゃないから。ハルは時々ムギュウ!!とかギリギリと握りつぶしてやりたくなるくらい可愛い。
男相手にそんな事思うんだから、相当イカレてるわけだよ。
好きだって伝えて、好きだって言い続けていれば「しょうがないですね。」って言ってくれそうな気がするし。長期戦覚悟で取り組んでやる。
【ピーピーピー】
コーヒーは琺瑯のマグカップに注いでリビングへ。ソファに座ってマグカップを握ってみる。やっぱりアレだね、自分でいれたコーヒーはこうやっても気持ちに響かない。
断然ハルがいれてくれたほうがあったかい。
【カシャン】
鍵の開く音と重たいドアがひらく音。
帰ってきた。
リビングの扉がゆっくり開いていくのを感じて振り返る。
ハルが居た。
頬を上気させて前髪が汗で濡れている。
「おかえり。」
「ただいま・・・です。」
「ハル、おはようさん。」
「お・・・はようござい・・ます。」
そしてハルの顔が変わる。少し細められた奥に見える瞳がゆらゆらしている。その視線は俺に刺さったまま体の中をのたうち回る生き物みたいだ。
動けない
視線も外せない
ハルは額にはりついた前髪をかきあげ、ソファに座ったままの俺を見下ろす。
何も言わず。
ギラリと光った目に射すくめられて、うなじがゾクリと泡立った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
281 / 474