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july.18.2016 ミネとハル その3 ハル
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落ち着け、落ち着け。
固まったように動かないミネさんを見ながら深呼吸をする。
スーハー
スーハー
「シャワー浴びてきます。走ってきたんで汗かいちゃって。」
「お・・・おう。」
「朝ごはん食べちゃいました?」
ミネさんがフウと一息。ずっと息を詰めていた?どうして?
「いや・・・まだ。洗濯もまだ。ハルが帰ってきたら着替えるだろうと思って。」
「じゃあ、回しておきます。ミネさん?」
「なに。」
「どうかしました?そんなミネさんの顔初めて見ました。」
熱に浮かされたみたいな顔・・・。あまりずっと見ていたらダメな部類の顔。でもずっと見ていたい顔。
触れたくなる顔。
「どうもしないよ。早いとこシャワー浴びといで。コーヒーも落ちてるし。」
「わかりました。」
名残惜しいけどクルリとミネさんに背を向ける。洗濯機を回してシャワーを浴びてスッキリしよう。いつもみたいに朝ごはんを食べて・・・それからだ。
焦っちゃだめ。
口説いて手に入れろ・・・ですね、ギイさん。
あやうく暴走しそうになったから僕の心臓はバクバクしていた。走ったり感情が渦巻いたりで、心臓はフル活動だ。
スーハー
スーハー
ミネさん、甘く見ちゃいけませんよ。僕だって男なんですからね。
Side;ミネ
「ヤバイだろ、あれ。なんなの~~!!」
いきなり動けなくなった。ハルに当てられた。走って汗かいてたから?ほっぺたが赤かったから?
違う・・・なんだろ、あの目だよ、目!
捕って食われるかと思った・・・まじで。
かわいい、かわいいを訂正しなくちゃならんようだ。かわいい改めお色気ムンムン・・・違う違う。
「うわぁぁぁ~~~。」
そうだ、こういう時は料理に逃げよう。
ということで朝飯の支度を開始することにした。やっぱりキンピラは不味かった。全然味が立っていない。なんだこのボケタ味は!
んん?・・・そうか証拠品として少しとっておくか。
豆皿にキンピラを盛ってから味の付け直しに取り掛かる。味が濃くて食べられないっていう状態ならどうしようもないけど、こうもボケラッチョならどうにでもなる。
だし巻きまいて、味噌汁つくって、鮭を焼く。五目豆がかろうじて残っているから、これで朝飯にしよう。
「あれ?ミネさんもう作っちゃったんですか?」
台所にサッパリしたハルがやってきた。ほっと胸をなでおろしちゃったよ、いつものかわいいバージョンのハルだったから。
「うん。作っちゃった。食べようか。」
そして穏やかに朝食が済み、後片付けをして・・・。
胸がバクバクしてきた。
「ハル。俺の話聞いてくれる?」
「僕もミネさんに話があります。」
「あ、そ。奇遇だね。」
「何が何でも聞いてもらいますから。」
ハル・・・どうしちゃったの、いったい。
ギイさんとマスターに魔法かけられたとか?
俺!しっかりしろ、そんなアホなこと考えている場合じゃないだろうが!
コーヒー片手に位置についた。
俺はソファに座る。
ハルはテーブルを挟んだ向こう側の床に座った。
さて・・・どう切り出したものか。
Side:ハル
朝帰りはまずかったよな、ごめんなハル とか
明日から一緒に帰ろうな、ごめんなハル とか
そういうのは聞きたくなかった。もうそんなことはどうでもいい。ミネさんの過去なんかどうでもいい。僕でこれから先をいっぱいにしていけばいいだけなんだ。
ギイさんの言う通り、物事はシンプルだった。シンプルで簡単。
「ハル」「ミネさん」
二人の言葉が重なって、ミネさんがフニャリと笑う。
「俺たち気が合うな。」
またそういうこと言って。
「ミネさん。」
「なに?」
「好きです。」
「・・・・は?」
「僕は男として男のミネさんが好きです!そういう意味で!もうずっと前から、一緒に住む前から。
もう・・ずっとです。
ミネさんがゲイじゃないのを承知で言います。僕のこと好きになってくれませんか?絶対無理ですか?」
ミネさんはポカーンと僕を見ている。本当に驚いているその顔がかわいくてムズムズした。
「・・・なにそれ。」
「はあ?」
「いやだから・・・なにそれ。」
なにそれって!それこそなんですか!!
僕の渾身の告白を「なにそれ」ってなんですか!!!
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