アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
july.23.2016 まったく手がかかる!
-
喧嘩をしているわけではないらしい。ミネに聞いても「ん?何もないよ、なんで?」としか言わない。
そうはいっても正明の様子は何もないって感じじゃない。
それで俺は中休み、正明を伴ってスタバに来た。事の真相を突き止めなくちゃいけないし。
まったく・・・手のかかる二人だ。
「それで?なに悩んでるの。」
「バレバレですか。」
「当たり前じゃん。気持を確かめ合ったというのに、正明が日に日に暗くなっていくって意味がわからない。ミネに聞いても「何もないよ。」しか言わないし。」
正明はフウとため息をついた。
「理さん。」
「なに。」
「まさしくそれです。何もないのです。」
「じゃあ、なんで悩んでいるのさ。」
「今日は土曜日ですよね。」
「そうだけど?」
「月曜日に僕たちが両想いだってわかって、月火水木金・・・5日です。今日入れたら6日です。僕たちは相変わらず自分の部屋で別々に寝ています。」
「はあ?」
「だからそういう「何もない。」状態で。やっぱりあれですかね。男の体は抵抗あるのかなって。頭ワシャワシャとかギュウとかはしてくれるけど・・・それだけなんです。月曜はわかりますよ。用意も何もしてなかったし。でもずーっとは酷くないですか?」
いや、まさかの「何もないよ。」がそっちだったとは!自分が引っ張りだしたとはいえ、聞くんじゃなかった方面のお悩みじゃないか。そりゃ、正明が暗くなるのもわかる。
「理さん達はずっと女の人と付き合ってきたんですよね。その・・・抵抗はなかったのですか?
同じものついているし。」
「それはそうなんだけど、なんていうのかな・・・抵抗はなかった。だって相手は衛だし。為せば成るって感じ?創意工夫と気持ちがあればどうにでもなった。そして現在に至る。」
ふうううう
またもや深い深~~い溜息。
「何度か聞こうと試みたのですが、察知されてずらされるっていうのが続くと聞くのも嫌になって。結局僕の好きとミネさんの好きは違っているのかもしれないって考え始めると、それが現実かなって思ったり。・・・暗くもなりますって。」
ふうううう
どうしたものか・・・。
「ちょっとトイレ行ってきます。」
席を立った正明の肩が落ちている。しょうがない、張本人に聞くしかないだろう。
簡潔にメールを送った。
『何もないって、そっちかよ!正明がへこんでるよ。何考えてんの。』
返事はすぐに返ってきた。
『俺なりのケジメというかさ・・・なんだわ。ハルにもメール入れとく。』
あのねえ、全然わかんないんだけど。テーブルの上にある正明のスマホがブーブー小刻みに震えた。席を立った時と同じく暗い顔の正明が戻ってきたからスマホをつっついた。
「メールきてたよ、たぶんミネ。」
正明は溜息をまた一つつきながら画面をタップしている。
文面を読んだらしい顔が困惑でいっぱい。おいおい、ミネは何を言ったんだ?
「なんて?」
「『心配いらないよ、俺はちゃんとハルが好きだから大丈夫』ですって。なんなんでしょうか。
体のお付き合いはいらない好き?いや~もうなんだかイヤ!」
「んん・・・ケジメとか言ってたけど。俺にもわかんない。もしかしたら相当溜め込んで日曜日に発散するつもりとか。正明がダルダルでホールを動いていたらオーナーとしてケジメがつかない!みたいなのじゃない?
とりあえずそういうことにしておこうよ。」
「そういうことにしておきます。何もないよりマシですから。気晴らしに変なこと聞いてもいいですか?」
「質問によるな。」
「飯塚さんと理さん、どっちがどっちってどう決めたんですか?」
ぐふっ!げふっ!
ラテが逆流したじゃないか!げほっげほっ!
「僕は決まってるからいいですけど・・・。ミネさんを抱くとかは・・・ちょっと。」
「あのねえ。気晴らしにしちゃあ随分な質問だな。落ち込んでいる正明のために特別教えてやる。衛には内緒だぞ。両方試してしっくりくるほうをチョイスした。」
「げふっ!げふっ!げほっ!げほっ!」
お返しだ、変なことを聞くからそういう目にあうんだぞ。
「うわ~~聞くんじゃなかった。なんかイヤ・・・ああ、だめです!消えろ脳内映像!」
「ちょっと!正明、何想像してるんだよ!やめろよ!」
「理さん、助けて!僕だってやめたい!止めたい!」
「別なことを考えろ。あ~えっとどうしようかな。あ!トアが会えないままの坂口さんってどんな人なのかな、俺は気になるぞ。」
「・・・なんかとってつけたような、気になるぞ~ですね。ええと、たしかショートヘアでフワフワツンツンだったかな。なんとバナリパの服を着てたらしいです。おお、それバナリパですねって見てたら胸をガン見したと勘違いされたって。」
「・・・それすでに残念すぎないか?もしかしてラーメン屋も避けているとか?」
「いや、どうなんでしょうね。そればっかりは僕にもわかりません。というかトアさん自身が一番わかっていないので、モヤモヤしているでしょうね。」
正明はそう言ってから俺の顔を見た。うわ、こいつ!
「だめだ!やめろ!正明。それ以上はダメ。」
正明はギュっと目を閉じて念仏のように何かを唱えだした。
「セントバーナードの背に乗るモンキー。セントバーナードを操るモンキー。セントバーナードのお尻をけ飛ばすモンキー。威張るモンキー、しょげるセントバーナード・・・。」
一体全体何を想像してR18な映像を振り切っているんだろう。
「ぶはっ!うひゃうひゃ!」
正明は笑いの発作を起こしてそのあとずっと笑っていた。
しょんぼりしているよりずっといいけれど・・・ミネ、さっさと心身ともに恋人同士になってくれ!
まったく・・・手がかかるよ、ホント。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
285 / 474