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july.24.2016 ご馳走・・・らしいですww
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「それにしてもミネは何だって正明を放置してんのかな、ここにきてだよ?衛わかる?ミネ何か言ってた?」
「言ってないし、聞いていない。」
なんでセックスしないんだ?そんなこと聞けるか。
「男でもいいじゃないか、好きってちゃんと言ったのかって、俺の時は随分言ったんだぞ、村崎。それが自分のことになったら自覚するまで時間がかかって認めるまでさらに時間を使って、気持ちを伝えたら今度は何もナシとか・・・俺には訳がわからない。」
「俺も同感だよ。」
理はグビっとワインを飲みながら眉間に皺をよせている。しかしこればっかりは周囲がやいのやいの言う問題でもないし、聞くに聞けないデリケートな部分だったりする。
「人の聞いても楽しいわけじゃないし、二人にしかわからないことがあるだろう。村崎も考えあってのことだろうから、とりあえず向こうが何か言ってくるまでは静観だな。」
「それはそうなんだけどさ。俺の日曜大放出説があたっていて、今頃仲良くしてたらいいなとは思うけど。正明に報告しろって厳命しておけばよかったかな。」
それは微妙だ。『理さん、ちゃんとできました!』なんていう報告をもらう?いや・・・そんな報告をされたらいらん想像をしてしまいそうだ。近しい人間のそういうのは・・・思い浮かべたくない。
「まさかさ、やり方がわからないとか?」
「は?」
「現に俺は知らなかったし。衛は勉強というか予習していたみたいだけどな。」
「・・・悪いかよ。」
「いや、いい悪いって事じゃなくて。ミネどうしてるのかな。あ~でも正明がそっちは大丈夫だろうから問題ないのか。そっか、そっか・・・技術的な問題ではない?
そうなるとますます厄介じゃないか。」
「厄介とは?」
「正明がさ、自分の好きとミネの好きは種類が違うんじゃないかって心配している。好きだけど体のお付き合いは無しでだったらどうしましょうって。」
「そんな好きがあるかよ。」
「俺もそう思う。」
いやはや、理じゃないけど手のかかる二人だ。この先もこうやって何だかんだとヤキモキするのかもしれない。やはりうまくいって欲しいし、二人が笑っているのが一番いい。
そうなると今度はトアの心配をしなくちゃいけないってことか。
「衛、なにを考えているの?」
「ああ、心配ばっかりで手がかかるなって。ついでに少しトアの心配もしてみた。」
「ああ、そっちもあったかぁ~。」
理はワインを一気に飲んでグラスを空けた。ソファの背もたれに肘をついて俺のほうに体を向ける。
「あのさ、衛の予習は自分のポジション決めたうえで?」
「はあ?」
「俺はどっちがどっちって拘りはなかったけど、衛はなんか片方しかしないつもりだったのかなって。」
今更持ち出されても・・・逆に恥ずかしい。たぶん俺の顔が赤くなったのだろう、理がニヤリとした。この質問に答えるまで、この議題から解放されることはない。仕方がないから答えることにする。
「理を抱くことしか考えてなかった。」
「やっぱりかあ。」
「もうこんな話いいだろう?今ちゃんとうまくいっているわけだし、俺たちは村崎とは違う。」
「予習とかエライよな。俺はもうアッチ系の動画は見たくない。」
「だって理を怪我させたり、傷つけたくなかったから。だからちゃんと調べた。」
理の瞳がゆるりと揺れたあとキラリと光る。
胸をドンとおされて仰向けにひっくり返った俺に跨る理。いきなりTシャツをめくると臍のあたりをベロリと舐められた。
「衛。」
「・・・なんだよ。」
「今日は日曜日、明日は休み。」
「・・・だな。」
「じゃあベッドに行かないと。」
それは望むところだ!と言いたいが、何やら不穏なオーラが理の周りに立ち込めている。
うなじのあたりがゾクリとした。
「初心にかえってみようか。」
近づいてきた理の顔から眼が離せない。鼻のあたまをチロリと舌先が滑る感触に、肩甲骨の間にビリっとした刺激が走る。
「立場の逆転、どお?」
どおって・・・言われても。
「俺が衛を抱こうか、今晩。」
ゆっくり目を閉じて・・・ゆっくり開ける。
「いいよ。」
理はニヤリとしたあと言った。
「衛が腹を括ったその顔、ゾクゾクする。」
今のお前の顔のほうがよっぽどだ。
理は俺の体から降り立ち上がった。腕が引っ張られて理に向き合う。
「お前はすごいな。俺が望めば全部叶えようとする。」
「理限定だ。」
理の腕が俺の身体に巻き付く。ドキドキと鼓動がうるさく胸の中で鳴り響いた。理の唇が耳たぶを挟み込み、またしても舌先が触れる。
「さ・・・とる。」
「いいよ。」
・・・なにが、なにがいいよだ。
「さっきのは冗談。衛の好きにしたらいい。俺はお前にしたいようにされるのが・・・好き。」
俺の理性がブチ切れる音がした。
もつれるように互いの服をはぎとりながら寝室を目指す。
村崎・・・お前は大馬鹿者だ。
こんなご馳走に手をださないでいられるなんて、どうかしている。
俺は絶対にそんなことはできないよ。
理に抵抗できるわけがない。
する気もないが・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜこんなムフフな回になったかといいますと・・・。
「両方試してしっくりするほうにした。」という理発言にツイッターのフォロワーさんたちが反応してくれたのです。
実は理が「両方試してみないとわからないじゃないか。」と衛に言ってすったもんだする、二人のお初の日の草稿があったのです。でも非R18を看板に掲げている以上、必要ないかと削除したんです。うわ~もったいない!と言ってもらったので、なんとなく二人のスタートを匂わせるエピソードを入れ込もうということで、今回の更新になりました。
とことん非R18にこだわってやる、そんな私の無駄な意気込みのせいで、キスすらしていない二人ですが、それなりのアツアツっぷりが伝わる内容になったかな?と思っております。
せい
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