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september.18.2016 トア自覚する 1
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「年内の休み、ざっくり言っておくね。今日と明日はプチ連休。シルバーウィークの片鱗を体験できるめったにない事だよ。来月10月の9・10日もプチ連休。あとは通常どおり月曜日の定休日のみ。
12月は29日のランチまで営業して、あとはオードブルの引き渡しまで作業の連続。
もちろんクリスマスはランチも夜も特別メニューをするし、去年好評だったBOXも継続するからね。くれぐれも体調管理よろしく。」
理さんが言うと業務命令にしか聞こえません。お休みのご案内なんてソフトな感じはゼロです。
「トアのシネマレストランは10月に11月12月分をまとめて撮影する段取りだから。」
「わかりました。」
わかりましたって言うしかないですよね・・・トホホ。
あれ?あれ?プチ連休は10月で年内最後?
「理さん11月はプチ連休ないのですか?」
理さんは手元のバインダーにはさんだA4の紙をペロっとめくって僕に向けた。
「11/3は木曜日、11/23は水曜日だから連休にできない。ハッピーマンデーなんていってガンガン日付変えるのに11月はしないみたいだね。」
ということは誕生月のお二人で温泉、今年は見送りってことですね。では僕達で何かプレゼントを考えなくてはなりません。・・・とりあえずワインしか思いつかないですが。
「クリスマス関係とオードブルはミネと衛が絶賛考え中。」
心なしか虚ろな顔なミネさんと飯塚さん。そうですよね、メニュー考えるのは大変です。時間がたつのは早すぎるといいますか、ちょっと前にクリスマスした気がするのです。翔がサンタさんはもう僕のところにこないんだよって言った日。もうまもなく1年ってことですよ?歳をとるはずです。
おわ、忙しくなる前に今年の図鑑を吟味しなくてはいけませんね…今年は何をテーマにしましょうか。ゲームソフトなら簡単ですが、そういう物は兄さんと義姉さんの判断があるだろうし。
アナログをずっと与え続けたいと思ってしまうのは僕の押し付けかもしれない。でもこの路線は続けていくつもりです。図鑑がお気に召さないお年頃になったらその時考えればいい。
「あと、年明けなんだけど。少しのんびりしようかと思って。百貨店の福袋が3日になるし。
今俺が考えているのは1/6の金曜日あたりからにしようかなって。ただこれは例年の年明けの売り上げデータと照らし合わせなくちゃで、今サトルが調べてくれている。俺としては休む気マンマン。来年はメリハリつけて休むったら休む。休みなしったら連投するってスタンスで行くぜ!を希望。」
「ミネさん、連投って雪まつりは・・・連投ですよね、当たり前に。」
「当たり前すぎて笑える質問だな、ハル。だから1月は少しのんびりするのだ。」
のんびり・・・1月の頭だけじゃないですか!
でも飲食店は休む=無収入ということです。営業日数がダイレクトに売り上げに響いてきます。「稼ぎたいなら営業日数と席数を減らすな」は鉄則というか基本。年明け早々に開ける店もあるし、三が日だけは休む。いやいや5日までは休む、などなど色々ですがSABUROはだいたい4日ぐらいからが多かったみたいです。2日も延びるとなればミネさん思い切ったなと言ったところですね。
「変更があれば随時知らせるから。年明けの休みはミネの言う方向性で進めているけど、データの精査をしたうえで決定にしたい。予定いれるのはもう少し待ってくれるかな。」
年明けのプラン・・・何もない・・です、はい。
「んじゃあ、今日はお疲れ~~。また火曜日から頑張りますかね、みなさん。」
ミネさんのお疲れさんコールでSABUROの営業は終了しました。僕はこれから予定があります、むふふふ。
「ハルさんはプチ連休どうするのですか?」
ハルさんは嬉しそうにニコニコ。さてはデートですね、ミネさんと!
「明日大通りのオータムフェストに行く予定です。だから今日はこれから買い物と常備菜づくり、あと掃除と洗濯です。明日が完全オフになるように頑張りま~~す。
ちょっと天気が心配ですけどね。」
いや・・・ほんと、最近のハルさんは滅茶苦茶かわいいです。どうしましょう!っていうくらい。変な気持ちがなくても素直にかわいいな~~って思えてしまうほどです。ミネさん心配し通しじゃないですかね?こんなにキュートな笑顔をしているハルさんに一目惚れな男女がワサワサ沸いてでてきそうです。
「トアさんはこれから映画ですか?」
「いえ、美容室にいくことになっています。」
ハルさんの目が「!!」な感じでパチっと見開かれた。え~と、ええ、その通りです。僕は今日初めて坂口さんのお客さんになるのです。ちょっと緊張ドキドキです。
「タケさんやほかの美容師さんとは違いますよね。僕だったら緊張しちゃうな。トアさん髪触られ放題じゃないですか!それに・・・シャンプー距離近い!うわ、僕が緊張してきた。」
ドドドドドドド
心臓一気に加速。距離が・・・近い。確かにそうです。僕はいままで男性美容師さんしか知らなかったんだった!!
早まったか!僕としたことが。
キリっとしたハルさんが僕の肩にボンと手を置きました。
「予約のキャンセルはかなり失礼です。絶対行ってくださいね。」
・・・ですよね。
「・・・はい。必ず。」
スペシャルなニコニコとともに「火曜日、仕上がり楽しみにしています!」と言ったハルさんはキラキラオーラのままミネさんの所に行かれました。
たぶんミネさん、キラキラオーラ見すぎて麻痺していますね。
全然心配している素振りがありませんから。もしくはブレない自信?
あ~それを僕にください。ギブミー自信!!
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